引き上げ幅「6%」 識者の読みの材料は?本格化する最低賃金の議論
大和総研の田村統久エコノミスト=2025年7月23日、東京都千代田区、宮川純一撮影 最低賃金改定に向けた議論が本格化している。24日も厚生労働省の審議会が開かれ、引き上げ幅の判断材料となる様々な数値が検討された。引き上 [...] The post 引き上げ幅「6%」 識者の読みの材料は?本格化する最低賃金の議論 appeared first on Japan Today.

最低賃金改定に向けた議論が本格化している。24日も厚生労働省の審議会が開かれ、引き上げ幅の判断材料となる様々な数値が検討された。引き上げ幅は「6%」――。そう見通しを示す大和総研・経済調査部の田村統久エコノミスト(日本経済、労働市場)に改定議論のポイントを聞いた。
――今年の引き上げ幅の見通しは、ずばり?
「2020年代に全国平均1500円という政府目標や、審議会に示されたデータを考慮すると、昨年の引き上げ幅である前年比5%(50円)は超えるとみられる。引き上げ率の目安は6%(63円)程度、全国平均1118円に程度になり得るとみている」
――「6%」と判断した材料のなかで、厚労省が審議会で示した参考指標では、どのような数値に注目しますか。
「22日の審議会に示された食料品の消費者物価指数の前年比伸び率6・4%(24年10月~25年6月平均)だ。最低賃金は低賃金労働者の生活を下支えする目的があり、この数字に着目することは正当化されうる。ただ、他の物価指数をみると昨年より上昇率が小さいものもあり、審議会がどう判断するのかがポイントだ」
「一方、企業の賃上げ動向をめぐっては、比較的大きな企業が多い春闘の結果も、中小零細企業の調査も賃上げ率が昨年を上回っている。引き上げを加速する材料となると考える」
――最低賃金は、労働者の生計費や労働者の賃金のほか、企業の支払い能力も考慮されます。使用者側は、最低賃金の急激な引き上げで人件費が上がり、倒産が増えていると訴えています。
「支払い能力も、企業の利益は上がっており、賃上げに回す労働分配率は下がっている。企業別にみても格差が拡大しているわけではないため、引き上げのための材料となる。使用者側は倒産件数の拡大を重視しているが、これまでの推移からして依然として低い。最低賃金の引き上げによる雇用への影響も、現在までのところ日本全体では見られていない」
政府目標の達成は
――政府目標「1500円」…
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