ウクライナ侵攻は「避けられぬ戦い」　教科書が政権の歴史観すり込み

ロシアの初等中等教育11年生用の現代史教科書。QRコードを読み取ると、ウクライナ侵攻でメッセージを出すロシアのプーチン大統領の映像が流れる連載「帝国の幻影～壊れゆく世界秩序～プーチン氏が描くロシア」【2】　「スターリ [...] The post ウクライナ侵攻は「避けられぬ戦い」　教科書が政権の歴史観すり込み appeared first on Japan Today.

7月 25, 2025 - 15:51

　「スターリングラードの戦い」の章にあるQRコードにスマホをかざすと、重苦しい音楽とともに、がれきが燃え上がる戦場が映し出された。おびただしい数の遺体や、住民らの苦悩の表情のモノクロ映像に続いて、ナレーションが始まる。

　「これは偉大な戦いだった……」

　ロシアの初等中等教育10年生（高校生に相当）用の現代史教科書が扱う内容の一部だ。

　1942年11月～43年2月、ソ連はロシア南部スターリングラード（現ボルゴグラード）でドイツ軍を撃退した。多大な犠牲を出したが、45年の連合軍勝利につながる転機となった。

　スマホに映し出されたのは、絶望的な状況を打開する前線の様子を、男女の兵士の愛を交えて描いた70年代の長編映画だ。

　ロシアでは、ウクライナ侵攻翌年の2023年9月の新学期から、11年制の初等中等教育の最終2学年に国定教科書が導入された。各章の末尾にあるQRコードからは、関連した愛国映画や美術作品も観賞できる。

　この教科書の主要な筆者は…