中途半端はかっこ悪い…王道アイドルをめざす芳賀礼の「ロックな魂」
ステージ上の芳賀礼さん=2024年11月 ©NMB48 NMB48のレッツ・スタディー!番外編 芳賀礼のめざす場所(前編) 大阪・難波を拠点とするアイドルグループ「NMB48」がこの秋、結成15周年を迎える。メンバーの [...] The post 中途半端はかっこ悪い…王道アイドルをめざす芳賀礼の「ロックな魂」 appeared first on Japan Today.

NMB48のレッツ・スタディー!番外編 芳賀礼のめざす場所(前編)
大阪・難波を拠点とするアイドルグループ「NMB48」がこの秋、結成15周年を迎える。メンバーの芳賀礼(はがれい)さん(19)は2022年に9期生として加入し、翌23年から始まった9期生公演で「センター」に抜擢(ばってき)されるなど、若手のエース格として活躍の場を広げてきた。「これから」のNMB48に寄せる思いと、一人のアイドルとして「到達したい場所」について話を聞いた(前後編シリーズの前編)。
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アイドルは好きだったけれど、なりたいと思ったことは…
はが・れい 2006年、兵庫県生まれ。22年、NMB48に「9期生」として加入。愛称れいぽん。24年、シングル曲「これが愛なのか?」で歌唱メンバーに初めて選ばれた。特技はバレーボール。
──NMB48加入当時は高校2年生。卒業後、アイドル一本に絞って活動をしています。
進学するかどうか、本当にギリギリまで悩みました。高3の夏くらいまでは大学受験をする気でいたんです。でも、私は性格上、二つのことを同時にするのが苦手で……。大学生もアイドルも、どっちもやろうとすると中途半端になってしまう。だから、「今しかできないアイドルに集中しよう」と決意しました。大学は、その気になれば大人になってからでも通えるわけだし、と。
──アイドルを好きになったきっかけは。
幼い頃からAKB48さんがずっと大好きでした。当時はブームの最高潮でもあったし、車の中ではいつもAKB48の曲が流れていましたね。そこから少し期間が空いて、高校生の頃に姉が再びAKB48さんにハマったのをきっかけに、私もまたハマって。ただ、自分がそこに立ちたい、自分がアイドルになりたいとまでは思ったことはありませんでした。
――それがなぜ、アイドルに。
姉がNMB48のオーディションを見つけてくれて、「応募したら?」と声をかけてくれたのがきっかけです。当時高2で、進路を考え始める時期だったものの、当時は特にやりたいこともなくて。進路の一つとして、「じゃあ、挑戦してみるか!」という軽い気持ちでした。
――そしてオーディションに臨んだと。
はい。でも、どこか「運良く受かったらいいなぁ」ぐらいの感覚でした。そんな私が衝撃を受けたのが、オーディション期間中に一観客として見に行ったNMB48の若手メンバーによる「なんば笑顔開花宣言」公演でした。私は当時、誰かのファンというわけでもなかったのですが、ステージ上から私に向けて視線や指さしなどの「レス」(レスポンス)を何回もくれた松本海日菜さんに魅了されました。雷に撃たれたような感覚。その時の、天に昇るような感じは忘れられません。アイドルってすごい力をもっている存在だと思いました。
その日を境に、「なれたらいいなあ」というふわふわした感情が「絶対になりたい」という決意に変化しました。今でも松本さんと顔を合わせると、胸がドキドキしてまともに会話ができません。
――NMB48は現在、「11期生」を募集していますね(6月22日まで)。
アイドルが好きな人、NMB48への愛が強い人にたくさん応募してきてほしいなと願っています。アイドルってキラキラした仕事である半面、大変なこともあります。新しい曲を覚えたりパフォーマンスを磨いたり、さらに色々な仕事をさせていただく中で、自分の実力不足や大先輩との差を感じて落ち込むことも……。
でも、それを乗り越えられているのは、私自身がアイドルという存在に励まされてきた経験があり、アイドルを好きな気持ちがあるから。だから、とにかくアイドルが好きで、アイドルになりたいという人に来てほしいなと。そういう人たちと一緒に、新しいNMB48をつくっていきたいです。
──9期生による「世代交代前夜」公演初日(2023年2月)のセンターをつとめたほか、昇格や選抜入り、そして最新シングル「チューストライク」でも目立つ位置を任され、グループの未来を担う存在として期待されているように思いますが、プレッシャーは。
意外とプレッシャーを感じたことはありません。もちろん、「自分が頑張らないといけないな」と思う状況はすごく多かったです。でも、その時にまずわき上がる気持ちは「どうしよう……」という不安じゃなくて、「自分がここに立たせていただけるのをみんなに納得してもらえるよう、とことん努力するぞ!」というアグレッシブな感情です。
これは、小1から高1まで続けていたバレーボールの影響でもあると思います。まず負けず嫌い。そして、努力の成果を信じる気持ち。自分のポジションを誰かに譲りたくない思い。基本、体育会系なんです。
──ファンの人たちは芳賀さんをどんなアイドルだとみていますか。
「あざとかわいい」と言ってもらうことが多いです。「あざとい」という言葉には様々なニュアンスがあると思いますが、少なくとも自分にとっては最高の褒め言葉です。私がアイドルを好きになったきっかけも(元AKB48の)渡辺麻友さんであり、いわゆる「王道アイドル」がずっと好きでした。そうした王道アイドルの立ち居振る舞いに近づきたいと思っている私にとって、それはうれしい表現なのです。
一方、ステージ上のパフォーマンスでは、その「あざとさ」を切り捨てる。堂々と汗をかきながら、髪を振り乱して大きく踊るというギャップを意識しています。ある意味ではチャンネルを切り替えるように、両極端の私を表現することによって、ファンの人たちを引っ張り回すというか。
──どちらが芳賀さんの実像でしょうか。
ファンの方にもよく聞かれるのですが、どちらも「素」の自分なのです。私自身が家では妹ということもあって、甘えがちな性格。でも、パフォーマンスでワイルドになってしまうのは、先ほども述べた通り、バレーボールで培われた闘志のゆえだと思います。その二つの顔を併せ持つことが私の強みになる。ただし、誰ともかぶらないキャラクターであるためには、その二つを極限まで高める必要がある。そこはまだ修行中です。
──もう少し詳しくお聞きすると。
アイドルの仕事というのは、照れを感じたり、中途半端にとどめたりしたら、かえって恥ずかしいものだと思うのです。「あざといはロックだ」と私は思います。決してキャラクターを「作る」のではありません。「笑われたらどうしよう」などと思い悩む弱い気持ちを乗り越えて、自分を解放する。全力で振り切る。それはハードボイルドでワイルドな魂がないとできないと思います。
(後編に続く)
- 【後編】「憧れ」が「譲れない」に変わった瞬間 芳賀礼が抱く、はるかなる夢
NMB48、「11期生」を募集中 7~8月には東京・大阪でライブ
大阪・難波を拠点とするアイドルグループ「NMB48」は2010年から活動を開始し、今秋で結成15周年を迎える。6月22日まで、第11期生となる新メンバーを募集している。オーディションなどを経て合格者が決まる。応募要項など詳細は特設サイト(https://spn.nmb48.com/feature/nmb48_11thaudition)で。
また、NMB48はこの夏、大阪と東京でコンサートを予定している。「天使のユートピア公演2025 with BAND」=7月24日(大阪)、8月31日(東京)▽「ここにだって天使はいる公演 2025」=7月25日(大阪)、8月31日(東京)▽山本望叶さん卒業コンサート=7月26日(大阪)。詳細はNMB48公式サイト(http://www.nmb48.com/)で。
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