「火垂るの墓」が7年ぶりの地上波へ 放送されなかった背景事情は

アニメ「火垂るの墓」(C)野坂昭如/新潮社, 1988  国内初の配信決定で再び注目を集めているスタジオジブリのアニメ映画「火垂るの墓」が、終戦から80年を迎える8月15日の「金曜ロードショー」(日本テレビ系、午後9時) [...] The post 「火垂るの墓」が7年ぶりの地上波へ 放送されなかった背景事情は appeared first on Japan Today.

「火垂るの墓」が7年ぶりの地上波へ 放送されなかった背景事情は
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アニメ「火垂るの墓」(C)野坂昭如/新潮社, 1988

 国内初の配信決定で再び注目を集めているスタジオジブリのアニメ映画「火垂るの墓」が、終戦から80年を迎える8月15日の「金曜ロードショー」(日本テレビ系、午後9時)で、7年ぶりに地上波で放送されることが決まった。日テレが26日の定例会見で明らかにした。

 金曜ロードショーは1985年10月にスタート。翌86年初放送の「風の谷のナウシカ」を皮切りに、多くのジブリ作品を繰り返し放送してきた。

 火垂るの墓も89年以降、1~4年おきに放送し、これまでに計13回。だが、高畑勲監督の死去を受けた2018年4月13日の追悼放送が最後になっていた。

 「となりのトトロ」やナウシカなど、ほかの定番ジブリ作品は変わらず放送を重ねるなか、7年もの空白が続いた火垂るの墓。SNSを中心に「火垂るの墓は悲惨すぎるからか?」などと臆測が飛び交い、時には「放送禁止になったのでは」という解釈が拡散したこともあった。

 これに対し、日テレの福田博之社長は、会見で「ほかにも放送していないジブリ作品はある。特別な理由があるわけではなく、色々な状況から編成判断をしている」と述べた。

 長く放送されなかった背景について「ほかのジブリ作品と比べるとハードルが少し高いのでは」と指摘するのが、テレビ業界やコンテンツ産業に詳しいジャーナリストの松谷創一郎さんだ。

 23年10月にジブリの親会社になった日テレは、多くのジブリ作品の著作権と放送権を持つ。例外が火垂るの墓で、それらの権利を持つのは、原作文庫版の出版元である新潮社。日テレは放映料を支払う必要がある。「日テレにとって、ジブリ作品は自前で広告収入を得られる『ドル箱コンテンツ』。だが、火垂るの墓は、ほかの人気作と同じようにコストがかかるため、それらとの競合になる」とみる。

 そうした状況の中、火垂るの…

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