「文化は社会のインフラ」大阪中之島美術館新館長が抱く危惧と将来像
来年で開館5周年を迎える大阪中之島美術館(大阪市北区)の新館長に、10月1日付で植木啓子さん(57)が就任した。コロナ禍で迎えた開館、前例のない運営方式。「トップスピードで走り続けてきた」と語る植木さんが思い描く、今後の美術館の姿とは。

――館長就任、率直な思いは。
今まで感じたことのない、重い責任を感じています。これまでは学芸課長として現場を統括する立場でしたが、あくまで現場。最終の責任の一歩手前で済んでいた。でも館長は、もう逃げ場がない。
それに、開館直後はお祝いムードで支持いただいた部分もあると思いますが、5年目となると、もうひいき目では見ていただけない。しっかりやらないと評価されない時期だと思っています。

――開館後どんな4年間でしたか。
あっという間、というのが正直なところです。
1983年に構想が立ち上がって、そこから約40年。建つか建たないかわからなかったり、計画が白紙になったり、いろんなことを乗り越えて開館しました。
やっとできたという喜びと祝祭感にあふれるかと思ったら、開館はコロナ禍のさなか。

当初は特別展とコレクション展の同時開催を重ねていこうと検討していましたが、海外はもとより国内からの集客の見通しも立たない。
なんとか来館を促す、より強いテーマ性をもつ特別展の開催に注力し、コレクションは特別展のなかで活用することになりました。
一つの展覧会が終わったら次の展覧会、また次の展覧会……と、走り続けているうちに時間が過ぎていたという感覚です。なんとかこの状況をみんなで切り抜けよう、と。サバイバルゲームのような4年間でした。
日本の美術館で初の運営方式
――今後はコレクション展も開催していくのでしょうか。
海外からのお客さまも戻って…
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