「デモなんて、大声でみっともない」問題に声を上げたら… 夜廻り猫

「生活が苦しい」「人間は動物を“処分”するが、ともに生きるべきだ!」――。「ハガネの女」「カンナさーん!」などで知られる漫画家の深谷かほるさんが、SNSで発表してきた「夜廻(まわ)り猫」。今回は、猫たちが「デモ」を行おうとするエピソードです。
デモは権利で、財産
「猫大会始めまーす」
猫たちの中央に立っためがねの猫が、訴えます。
「食べ物、飲む水、休む場所がない」「人間は土地を独り占めし、動物を“処分”するが、ともに生きるべきだ」
聴衆の猫たちも「そうだそうだ」と応じたため、めがねの猫が「では週末の土曜、日暮れとともにデモで意思表明をしよう」と提案しますが……。
「デモなんてやっていいの?」
「大声出してみっともない」
そんな意見も出てきました。
しかし、長く生きる猫が「心配いらん。デモする権利は財産だ」「問題を直視し、誠実に議論し危機を越えねば未来はない」と鼓舞します。
そうして迎えた、デモ当日。
猫の遠藤平蔵が、猫と人間のことばの通訳をかってでましたが、人間たちは「かわいい~」と写真を撮るばかりで、声はかき消されてしまったのでした。

議論「難しい状況になってきた」
作者の深谷かほるさんは「意見を言うこと、議論をすることが難しい状況になってきた気がします」と語ります。
「改正皇室典範はあっという間に通ってしまいました。次は憲法改正をするのかどうか……ということもそうですが、議論を十分に尽くすことが必要です」と指摘します。
「違う意見の人、違う文化の人に対しても偏見を持たず、分断を避けて共に生きましょう。生きのびられるようにしましょう」
マンガ「夜廻り猫」
猫の遠藤平蔵が、心で泣いている人や動物たちの匂いをキャッチし、話を聞くマンガ「夜廻(まわ)り猫」。
泣いているひとたちは、病気を抱えていたり、離婚したばかりだったり、新しい家族にどう溶け込んでいいか分からなかったり、幸せを分けてあげられないと悩んでいたり…。
そんな悩みに、遠藤たちはそっと寄り添います。遠藤とともに夜廻りするのは、片目の子猫「重郎」。SNS上では、「遠藤、自分のところにも来てほしい」といった声が寄せられ、人気が広がっています。
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深谷かほる(ふかや・かおる) 漫画家。1962年、福島生まれ。代表作に「ハガネの女」「エデンの東北」など。2015年10月から、ツイッター(@fukaya91)で漫画「夜廻り猫」を発表し始めた。第21回手塚治虫文化賞・短編賞を受賞、単行本12巻(講談社)が2026年5月に発売。講談社「コミックDAYS 編集部ブログ」で月・金曜夜に連載中。スピンオフ「居酒屋ワカル」は講談社「コクリコ」で連載した単行本が2024年11月に発売。
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