ロシアの干渉、揺れる親欧米国モルドバ 親ロ住民「占領してほしい」

欧州連合(EU)加盟支持のデモに参加するモルドバの親欧米派の市民=2024年6月、キシナウ 連載「帝国の幻影~壊れゆく世界秩序~プーチン氏が描くロシア」【6】  欧州とウクライナにはさまれた小国が、ロシアの「帝国の幻影」 [...] The post ロシアの干渉、揺れる親欧米国モルドバ 親ロ住民「占領してほしい」 appeared first on Japan Today.

ロシアの干渉、揺れる親欧米国モルドバ 親ロ住民「占領してほしい」
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欧州連合(EU)加盟支持のデモに参加するモルドバの親欧米派の市民=2024年6月、キシナウ

連載「帝国の幻影~壊れゆく世界秩序~プーチン氏が描くロシア」【6】

 欧州とウクライナにはさまれた小国が、ロシアの「帝国の幻影」に大きく揺さぶられている。

 旧ソ連構成国の一つ、モルドバだ。

 人口約250万人の3割が穏健派を含めた親ロシアとされ、国内には親ロの分離独立派が支配する「沿ドニエストル共和国」もある。

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モルドバの地図

 ソ連崩壊後、欧米とロシアとの間で揺れ動いてきたが、2022年2月にロシアがウクライナに侵攻すると、モルドバの政権はロシアとの全面的な対決姿勢にかじを切り、欧州連合(EU)加盟候補国にもなった。

野党連合、結成の地はモスクワ

 だが昨秋の大統領選で、親欧米の現職サンドゥ氏は55%の票を獲得したものの、在外を除く国内の票では、ロシアに融和的な野党候補を下回った。

 最大の理由が、ロシアの露骨な「内政干渉」の姿勢だ。モルドバの親ロ強硬派は昨年、モスクワで野党連合「勝利」を結成。プーチン大統領も同派の幹部と会談し、支援を鮮明にした。

 ロシア側はSNSなどで、「好戦的なのは欧州だ」などと国民の不満をあおる。モルドバは欧州の最貧国で、平均月収は約700ドル(約10万円)。侵攻後の物価高も政権不信に拍車をかけるなか、国民の分断は深まっている。

 首都キシナウでは7月3日…

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