山陰こどもみらいろ応援団 倉吉農業高が「お米甲子園」で再び日本一
お米甲子園で最高金賞を受けた倉吉農業高校の生徒たち。(左から)西村陽菜さん、高田仁愛さん、福田優月さん=2025年1月21日午後3時58分、鳥取県倉吉市、清野貴幸撮影 全国の農業高校の生徒たちが育てた米の品質やおいしさ [...] The post 山陰こどもみらいろ応援団 倉吉農業高が「お米甲子園」で再び日本一 appeared first on Japan Today.
全国の農業高校の生徒たちが育てた米の品質やおいしさを競う「全国農業高校 お米甲子園2024」で、鳥取県立倉吉農業高校(倉吉市)が、日本一に当たる「最高金賞」に輝いた。9年ぶり2度目となる快挙だ。
お米甲子園は民間団体の米・食味鑑定士協会(大阪市)が主催する「米・食味分析鑑定コンクール:国際大会」の部門の一つ。26回目の今回は昨年12月に山梨県であり、お米甲子園には67校から170点が出品された。
倉吉農高は、倉吉市関金町の農家から借りた実習田(約6アール)で、食品科の3年生7人が中心となって栽培した品種「ゆうだい21」を出品した。宇都宮大(栃木県)が開発し品種登録された米で、粒が大きくうまみが強い。冷めても粘りがあっておいしさが変わらない特徴がある。
倉吉農高のゆうだい21は、機械で水分や粒のそろい具合、でんぷんの厚さなどを計測する1次、2次の各審査を通過。米の流通や販売にかかわる30人の審査員による最終審査(官能審査)に進む15校に残った。最終審査では各審査員が炊かれたごはんを味わい、光沢や香り、粘り、甘みなどを基準に、上位5校ずつを選んだ。24票を集めた倉吉農高は金賞の4校に大差をつけて最高金賞に選ばれた。
倉吉農高は2015年にも別の品種で最高金賞に輝き、以降24年まで10年連続で入賞(他の年は金賞と特別優秀賞)するなど安定した実力を誇る。米・食味鑑定士協会の鈴木秀之会長によると、近年は最高金賞と金賞の差はわずかで、今回のようなダントツの差は異例という。鈴木会長は「今回は昨夏の高温でバテる品種もあった中で栽培管理がしっかりしていたのではないか。先輩に続いて私たちも、という伝統が山陰で続いていて良かったと感じた」と話す。
倉吉農高の生徒たちは、課題研究の授業として週1~2回、水田に通い、水管理を除く耕耘(こううん)、育苗、除草、収穫などの作業に汗を流してきた。お米甲子園での上位を狙って農薬や除草剤を使わない有機栽培にも初めて取り組んだ。
高田仁愛(にいな)さん(3年)は「水中の草を取るため泥の中を歩くのが大変だった」と振り返る。西村陽菜(ひな)さん(同)と福田優月(ゆづき)さん(同)は大会の会場で、最終審査に出品された15校の米を試食。2人とも一番おいしいと感じた米が自分たちのゆうだい21だった。「甘みとつやがあった。最高金賞でとてもうれしかった」(福田さん)。
西村さんは農業の国家資格である普及指導員を目指し、島根大に進学する。住んでいる地域は元々農業が盛んだったが、高齢化で活気が失われたと感じているという。「(最高金)賞をもらって、農業を守っていくことが大事だと考えるようになりました」
受賞したゆうだい21を始め生徒たちが栽培した米は学校や主催イベントなどで販売されている。
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