ケア必要な子と親の「18歳の壁」 仲間と安らぐ居場所を作りたい
仲の良い3人組。左からジュン、モッチャン、ケチャポン。互いに手伝ったり、ちょっかいを出したり=2024年11月、東京都世田谷区の「ひかり」、市川美亜子撮影 現場へ! 終わりなき育児に希望を(3) 巣立ちの春といえば高校 [...] The post ケア必要な子と親の「18歳の壁」 仲間と安らぐ居場所を作りたい appeared first on Japan Today.
現場へ! 終わりなき育児に希望を(3)
巣立ちの春といえば高校卒業の3月だろうか。解放感と寂しさの漂う季節を、障がい児や医療的ケア児の親は「18歳の壁」とも「崖」とも呼ぶ。
朝はスクールバスで特別支援学校に。下校後は放課後等デイサービス(放デイ)ですごし、仕事を終えた親は午後6時ごろ迎えに行く。親子の生活を支えてきた「命綱」が卒業と同時に一気に消える。
日中は生活介護や就労支援の施設に通うことになるが、始まりは遅く、午後3~4時には終わる。その後の行き場はなく、一人で過ごすこともできない。生活の激変で心身に支障をきたす子もいる。多くの親が力尽き、離職に至る。
悩み抜いた親たちが33年前に手探りで始めた「卒業後の居場所」が東京都世田谷区代田にあると聞き、認定NPO法人「わんぱくクラブ育成会」が運営する「ひかり」を訪ねた。
煮込んだネギや油揚げの香りが鼻をくすぐる。昨年11月の夕方、商店街に面したビル1階の扉を開くと、70平方㍍ほどの部屋でダウン症や知的障がいのある若者たち9人が、大鍋で具だくさんのうどんを調理していた。
湯気の立つ丼を抱えて、隣同士に座ったのは、30代の男性3人組。言葉こそ出ないが、仲の良さが伝わってくる。体を揺らしたり、ペットボトルのふたを飛ばして笑い合ったり。聞けば「わんぱく」が運営する放デイで育った仲間同士。卒業後の道は分かれ、就労している人も家にこもりがちな人もいる。ただ、週に1度のこの日が待ち遠しいのは3人とも一緒だ。
「生きているよ、と確認しあう」
「お互いの姿を確認すると心…
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