軽油の大規模カルテル疑惑、公取委はなぜ強制調査に乗り出したのか

軽油販売でカルテルを結んだ疑いで、公正取引委員会が10日、石油元売り最大手ENEOS系などの8社を家宅捜索した。不安定な世界情勢で価格高騰が続き、巨額の補助金が投じられるなかで浮上した疑い。経済や生活への影響が大きく、悪質と判断された。
- 軽油販売で価格カルテル容疑、公取委が8社を捜索 価格高騰の中で
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公取委が約3年ぶりの家宅捜索に乗り出した契機は、3カ月前の調査にあった。
公取委は5月下旬、神奈川県の業者向けの軽油販売で価格カルテルを結んだ疑いがあるとして、ENEOSウイングや東日本宇佐美など計6社に立ち入り検査に入った。販売対象の業者は数千で、市場規模は1千億円に上るとの試算もあった。
軽油はトラックなど大型車で使われ、物流や建設など社会インフラを支える業界向けだ。販売価格の高騰が続き、政府が巨額の補助金を投入する中でのカルテル疑いで、注目の調査だった。
関係者によると、6社への調査を進める中で、さらに2社を加えた計8社による、東京の業者向けの軽油販売をめぐる大規模なカルテル疑惑の構図が浮上したという。疑惑の舞台は神奈川から、より影響の大きい東京に移った。
特にENEOSや宇佐美のグループはシェアが大きい。社会に広範な影響を及ぼす悪質性があるとして、公取委は強制調査である捜索に踏み切ったとみられる。
「国民生活に広範な影響を及ぼす」
軽油は市場規模が大きく、価…
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