財務省前デモは中間層の不満のマグマ トンデモと切り捨てられない
社会学者の伊藤昌亮・成蹊大教授 社会学者の伊藤昌亮さんに聞く 「消費税廃止しろ!」「罪務省」。財務省前で減税や積極財政を求めるデモが昨年末から拡大し、勢いが鎮まる気配はない。SNSではインフルエンサーが参戦し擁護と批判 [...] The post 財務省前デモは中間層の不満のマグマ トンデモと切り捨てられない appeared first on Japan Today.

社会学者の伊藤昌亮さんに聞く
「消費税廃止しろ!」「罪務省」。財務省前で減税や積極財政を求めるデモが昨年末から拡大し、勢いが鎮まる気配はない。SNSではインフルエンサーが参戦し擁護と批判の論争も起きている。「ひろゆき論」などで知られる社会学者の伊藤昌亮・成蹊大教授は、既存の政治的枠組みで捉えられない新たな社会運動としてデモに注目してきた。「トランプ関税」のあおりを受けたさらなる物価高への不安が高まり、参院選を前に政界も減税合戦の様相を見せるなか、デモは台風の目になるのだろうか。
日本で過去に例のない「経済デモ」
――昨年末ごろから広がった財務省解体デモですが、収束の気配が見えません。
これまで日本ではほぼ例のなかった「経済デモ」と言えます。しかも、既存の政治的枠組みや社会運動の文脈では捉えきれない新しい形態のデモです。庶民のむき出しの声の発露という意味では、これこそ「本当のデモ」と言えるかもしれず、軽視すべきではない現象だと思います。
――どういうことでしょうか。
「反安保」「反原発」といった従来の「政治デモ」は、オーガナイザーや参加者の背景にあるイデオロギーや党派性はかなり明確で、組織的な統制もありました。今回の財務省前のデモに集まる人々は、主婦や転職経験者、中小企業従業員、自営業者など様々な層が含まれています。彼らの多くは、ホームレスや失業者といった最貧困層ではなく、普通に仕事をしていながら生活の先行きに不安を抱えている人々です。支持政党はバラバラで、政治的イデオロギーも希薄です。
――確かに、デモ参加者には歳出削減や構造改革を訴えてきたネオリベラリズム(新自由主義)的な日本維新の会の支持者もいれば、「反緊縮」を求めてきたれいわ新選組の支持者もいました。
デモの主張の内容で注目すべ…
The post 財務省前デモは中間層の不満のマグマ トンデモと切り捨てられない appeared first on Japan Today.