「芋洗い」から「エンタメ」に 銭湯のぬくもり、福祉で活かす
デイサービスとなったばらの湯でテレビを楽しむ高齢者たち=2025年4月24日午前11時41分、長野県松本市、金居達朗撮影 町の銭湯の廃業が止まらない。カフェや居酒屋に生まれ変わる銭湯もある中、入浴するという本来の機能を [...] The post 「芋洗い」から「エンタメ」に 銭湯のぬくもり、福祉で活かす appeared first on Japan Today.

町の銭湯の廃業が止まらない。カフェや居酒屋に生まれ変わる銭湯もある中、入浴するという本来の機能を生かし、福祉の分野で活用しようと取り組む団体が出てきた。
朝9時、壁いっぱいに描かれた赤富士の下で、洗い場に座ったお年寄りがテレビを見ながら談笑していた。隣の男湯では、80代の男性が職員に身体を洗われ、湯船につかっている。「気持ち良くて嫌なことも忘れられるね」
長野県松本市の松本城近くにある「ばらの湯」。施設の老朽化に伴い、2021年に廃業した。66年の歴史があり、市内でも敷地面積が広く、地元客に愛された銭湯だった。
この銭湯を24年10月にリノベーションし、デイサービスを始めたのが「カモミールハウス」。市内の空き家を活用した施設を3軒運営してきたノウハウを生かし、廃業した銭湯をよみがえらせた。
管理する和田由佳さん(44)は20代の頃、大型のデイサービスで働いていた。そこでは、狭い浴室で数分ごとに利用者を交代しながら体を洗っていた。利用者の「これじゃまるで芋洗いだ」の言葉が忘れられなかった。
「溺死(できし)や転倒の危険のため、高齢者は家庭でゆっくり風呂に入れない。お風呂の重要さに気付かされた」
入浴に特化したデイサービスの運営を考えていたとき、「ばらの湯」の廃業が耳に入った。「これだ」とすぐに飛びついた。
銭湯の雰囲気を残した施設には「話題性」というメリットもある。パンフレットには「エンターテインメントデイサービス」と書かれている。広い浴場を生かし、コンサートやマグロの解体ショーも開催してきた。和田さんは「生き残りのためには、利用者だけでなく、職員も楽しめる施設であることが重要」と話す。
「昭和の建物を守りたい」
廃業した後、医療機関が経営を引き継いだ銭湯もある。
1963年に創業した大阪市…
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