独禁法に再三問われるNPB側 大リーグに追いつけない「昭和感覚」

ジャーナリストの松谷創一郎さん=2024年12月3日、東京都中央区、滝沢文那撮影  日本野球機構(NPB)がプロ野球日本シリーズの取材パスをフジテレビから没収し、公正取引委員会から調査を受けている問題。野球機構内の日本プ [...] The post 独禁法に再三問われるNPB側 大リーグに追いつけない「昭和感覚」 appeared first on Japan Today.

独禁法に再三問われるNPB側 大リーグに追いつけない「昭和感覚」
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ジャーナリストの松谷創一郎さん=2024年12月3日、東京都中央区、滝沢文那撮影

 日本野球機構(NPB)がプロ野球日本シリーズの取材パスをフジテレビから没収し、公正取引委員会から調査を受けている問題。野球機構内の日本プロフェッショナル野球組織は過去にも、公取委から独占禁止法上の問題を指摘されてきた。背景に何があるのか。スポーツとメディアの関係に詳しいジャーナリストの松谷創一郎さんに聞いた。

 2020年のドラフト指名を拒否した選手との契約を制限した問題、昨年9月の選手代理人を弁護士限定としていた問題、そして今回の取材パス没収の問題。この5年間でNPB側の行為が独占禁止法違反に問われた三つの問題に共通するのは「身内意識」です。

  • フジテレビの取材パス没収、独禁法違反の疑い 野球機構を公取委調査

 ドラフト指名を拒否した選手との契約を制限した時は「外国に選手が流出するのが嫌だ」、代理人同席の問題は「外の人間に入ってほしくない」。今回のケースは「これまで仲良くやってきたテレビ局と野球機構の関係を崩すな」という話。身内だから仲良くやっていくのが筋じゃないか、ということで、それに違反すると、それまでのやり方を守るために制裁を科す、という方法を続けてきた。そういう昭和感覚のやり方に無理が生じてきているのが現状だと思います。

 さらに、5年間に起きた三つの問題のうち、二つに共通するのが大リーグです。

 1995年に野茂英雄さんが「任意引退」というやや強引ともいえる方法で米国に渡り、00年にイチローさんがポスティングシステムを使って大リーグ入りしました。以来、海外挑戦のルールは段階的には緩和されてきました。

 ただ、選手獲得競争のほか、日本でも大リーグの人気が高まるなかで、コンテンツの魅力で大リーグに劣る不安が生じてきました。これまでの内に閉じこもってきたビジネスモデルに穴が開いてきたことの証しでしょう。

 NPBはこれまでの閉鎖性を打ち破って大リーグを上回る魅力を構築し、公正な競争でファンの支持を得ることが不可欠です。

 潜在的にはその可能性はあると思っています。

旧ジャニーズに似たある側面

 たとえば、昨季ソフトバンク…

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