海外にもある花粉症、患者も増加 「大量植樹」ではない原因とは?
脊振山系の斜面で風に乗るスギ花粉=2023年2月17日、佐賀県神埼市、朝日新聞社ヘリから 花粉症シーズンまっただ中。花粉にまみれた日本から脱出したい――。そう思う人も少なくないのでは。でも、海外にも花粉症はあり、日本の [...] The post 海外にもある花粉症、患者も増加 「大量植樹」ではない原因とは? appeared first on Japan Today.

花粉症シーズンまっただ中。花粉にまみれた日本から脱出したい――。そう思う人も少なくないのでは。でも、海外にも花粉症はあり、日本のように患者数が増えているという。原因は何なのか。解決策はあるのか。健康問題を研究しているニッセイ基礎研究所(東京)の村松容子主任研究員に話を聞いた。
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温暖化と花粉症の関係
――海外にも花粉症はあるのですか。
あります。イギリスで1819年に診断されたのが初めてと言われています。原因となる植物は各地で異なり、ヨーロッパではイネ科、アメリカではブタクサなど、オーストラリアではアカシアなどです。
――日本では花粉症患者が増えているとの調査がありますが、海外での動向は。
日本では、全体としても増えているし、特に子どもなど若い人の発症が増えていると言われていますが、海外も同様のようです。世界アレルギー機構の2016年の資料によると、13~14歳の小児における花粉症の有病率は世界全体で約2割で、年平均0.3%増加しているというデータもあります。
――その理由は。
温暖化が指摘されています。花が咲く時期が早まり、かつ、長く咲くようになったため、花粉の総量が増えているというわけです。
「どう付き合うか」の議論が主流?
――どんな対策が議論されていますか。
気候変動対策や、医薬品などでアレルギー反応をどう抑え込むか、花粉の予測など、どう花粉とつきあっていくかへの関心が高いように思います。自生している植物が原因だったり、近隣の国から花粉が飛んできたりするため、「発生源を取り除く」のが難しいからだと思います。
――日本とは違うのですね。
日本では高度経済成長期などに植樹されたスギやヒノキが大きな発生源で、植え替えなどで発生源を減らす対策がよく議論され、国も取り組みを進めています。温暖化などと関連づけた議論もないわけではないですが、日本は特殊かもしれません。
発生源対策で国はスギの植え替えを進めていますが、30年後にやっと半減するとされています。
一方、気候変動は進みます。また、気候変動で、これまで日本になかった植物が増え、新たな花粉の発生源になるかもしれません。植え替えだけでは花粉症の発症はなかなか収まらないのではないでしょうか。世界での議論や研究にも目を向ける価値があります。
■海外動向、日本も参考に…
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