「日本でいちばん長い日」はどうして生まれたか 半藤一利さんの思い

半藤一利さん=文芸春秋提供  文芸春秋が最近、「日本のいちばん長い日 運命の八月十五日」(同社)など戦史研究で知られた故半藤一利さんが55年前に担当した「日本軍艦戦記」「日本航空戦記」「日本陸軍戦記」を相次いで復刻出版し [...] The post 「日本でいちばん長い日」はどうして生まれたか 半藤一利さんの思い appeared first on Japan Today.

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 文芸春秋が最近、「日本のいちばん長い日 運命の八月十五日」(同社)など戦史研究で知られた故半藤一利さんが55年前に担当した「日本軍艦戦記」「日本航空戦記」「日本陸軍戦記」を相次いで復刻出版しました。同社の前島篤志ノンフィクション・新書担当局長は、半藤さんの戦史研究について「世の中が旧軍に厳しい視線を向けていた時代に、数々の貴重な証言を引き出した」と語ります。

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 ――半藤さんは1930(昭和5)年生まれで、45年3月の東京大空襲も経験しました。

 向島の実家から猛火の中を逃げ、川に飛び込んで生き延びたそうです。その時、半藤さんは「生涯、二度と『絶対』という言葉は使わない」と決めたといいます。「絶対に日本は勝つ」「絶対に自分の家は焼けない」「絶対に俺は人を殺さない」、そんなのはすべてうそだと言うのです。半藤さんが大空襲の体験を語るようになったのはかなり後年になってからでした。それだけ切実な体験だったのでしょう。

 ――半藤さんはなぜ、戦史研究に携わったのですか。

 半藤さんは「東京大空襲に遭ったから戦争の正体を確かめたいと思った、と言えば格好良いけれど、そんなにできが良くはなかったんだよ」と話していました。一番のきっかけは文芸春秋に入社し、仕事として資料集めや軍人たちの取材をしたことだそうです。

 61年には週刊文春の編集者として、連載「人物 太平洋戦争」を自ら執筆。そこで様々な軍人に出会い、その生きざまを描いていきます。

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