「推し」のニュアンスは訳せない…!? 青原姉妹、試行錯誤の英作文
レッツ・スタディー!英語編② 青原和花さん・優花さんと学ぶ 追手門学院大学の松宮新吾教授、NMB48の青原和花さん、青原優花さん(左から)=米田怜央撮影 英語は学校で勉強したけれど、実際に使うのは自信がない――。そんな [...] The post 「推し」のニュアンスは訳せない…!? 青原姉妹、試行錯誤の英作文 appeared first on Japan Today.

レッツ・スタディー!英語編② 青原和花さん・優花さんと学ぶ
英語は学校で勉強したけれど、実際に使うのは自信がない――。そんな人は少なくありません。NMB48メンバーの青原和花(あおばらわか)さん(大学4年)、優花(ゆか)さん(高校3年)姉妹もそうだといいます。どうしたら英語を自分のものにできるのか。青原さん姉妹、追手門学院大学国際学部長の松宮新吾教授(英語教育学)と一緒に考える「レッツ・スタディー!」英語編第2回です。(構成・阪本輝昭)
記事後半では、青原和花さん・優花さん姉妹のサイン色紙が当たる読者プレゼントの案内と、松宮教授の考えた「ライブ会場で観客に伝わる(盛り上がる)英語表現」の例文を掲載しています。
【お題】「大阪に来たら○○して下さい!」を英語で
大阪観光スペシャルサポーターとして、外国のファンの皆さんに「大阪に来たら必ず〇〇して下さい!」と英語でPRしましょう(50語程度で)。
【青原優花さんの考えた英文】大阪のシンボルといえば…
あおばら・ゆか 2007年、大阪府生まれ。22年、NMB48加入。今年4月9日リリースのシングル「チューストライク」で歌唱メンバーに選ばれ、グループ初の「姉妹同時選抜入り」。夢は「マルチな活躍」。愛称ゆかたん。
I want you to go to Tsutenkaku because it is a symbol of Osaka.
I’ve been there before and it’s my favorite place.
It was fun to see the beautiful scenery of Osaka.
Also, an NMB48 music video, “Gambaranuwai”, was shot there.
Please check it!
《本人による和訳》
私は通天閣を訪れることをおすすめしたいと思います! 大阪を象徴する建物で、私のお気に入りの場所でもあるからです。私も訪れたことがありますが、大阪の風景を一望できて楽しいし、景色も素晴らしいです。NMB48のミュージックビデオが以前、その建物で撮影されたこともあるんですよ。「がんばらぬわい」という曲です。チェックしてね!
【青原和花さんの考えた英文】おなかも満たせて、写真も…
あおばら・わか 2004年、大阪府生まれ。22年、NMB48加入。23年のシングル「渚(なぎさ)サイコー!」、最新シングル「チューストライク」で歌唱メンバーに選ばれる。夢は「世界中に笑顔や希望を届けること」。愛称わかたん。
Hello! Thank you for coming to Osaka!
After the concert, be sure to visit Dotonbori!
The Takoyaki there is really delicious, and don’t forget to take a photo in front of the Glico sign.
You can enjoy amazing food and take some great photos!
Have fun, and see you around!
《本人による和訳》
こんにちは! 大阪に来てくれてありがとう! (NMB48の)コンサートの後は、ぜひ道頓堀に行ってみてね! たこ焼きは本当においしいし、グリコの看板の前で写真を撮るのも忘れずに。おなかを満たせて素敵な写真も残せて、満喫できます。楽しんで下さい!
◇
【対話】「伝わる」英語表現とは 言葉の変化をつかまえながら
追手門学院大の松宮新吾教授と青原優花さん・和花さんがお題をもとに「伝わる英語」について語り合い、考察を深めます。
青原和花さん 私なりに「映(ば)え」スポットを選んでみましたが、どうですか?
青原優花さん お姉ちゃんは「見上げる」。私は「見下ろす」。2人の推しスポットが微妙に違うのが面白いね。
松宮新吾さん おっ、出ましたね。「映え」と「推し」。お二人は、どういう場面や意味合いで使っていますか?
和花さん 「映えスポット」は、(写真共有アプリの)インスタグラムに載せると映えそうな写真を撮れる場所……ですかね。
優花さん 「推し」は、うーん。単なる「好き」とは違うなあ。人に広めたくなるもの、活力や喜びをもらえるもの……。
松宮さん では、その意味合いを英語に訳してみますか。
和花さん 「映えスポット」は……。「scenic spot」(景色のいい場所)か、「photogenic spot」(写真が映える場所)など? いかがでしょうか。
松宮さん そうですね、それで伝わると思います。ちなみに最近では、「instagrammable」(インスタ映えする、SNS映えする)という新語も登場しています。
和花さん インスタグラマブル!?
松宮さん 言葉って面白いですよね。技術や社会、文化、価値観の変化につれて、どんどんアップデートされていく。
優花さん 「推し」を訳すなら「favorite」(お気に入り)でしょうか?
「bias」が「推し」を表現する英語に(松宮さん)
まつみや・しんご 1956年生まれ。大阪府立高校教諭や大学教授などとして英語教育に40年以上携わる。専門は外国語教育や英語教育学。
松宮さん そうですね。favoriteを短くキュートに表現した語「fave」(フェイブ)もよく目にします。それ以外にも、一般的にはネガティブな意味で理解されている「bias」(偏見、先入観)という語が「推し」の意味で使われることもあるんですよ。
優花さん ええっ、そうなんですか?
松宮さん はい。K―popファンが発信源となり、「my bias」(私の推し、ひいき)といった使われ方もするようになりました。「He is my bias in BTS.」といった具合です。
優花さん なるほど、言葉に新しい意味が宿るのか。これも言葉が「アップデート」されていく例なんですね。でも、正直なところ、あまりしっくりこないなあ……。
和花さん どうして?
「推し」はfave? もっと重い意味のような…(優花さん)
優花さん 私たちを推してくれているファンの方々の思いって、「fave」のようなライトな言葉にあてはまるのかな。もう少し、重いものだと思うんですよ。
和花さん そうだね。ファンの人たちの日々の活力や希望、大げさにいうと人生の一部を背負っているようなところがある。
松宮さん 「推す」気持ちを受け取る側だからこその思いですね。素晴らしいと思います。実は、最近では「推し」は「my Oshi」とそのまま使われることも多いです。日本語由来の英語ともいえますね。
優花さん それだ! 推しはOshiだよ!
和花さん Oshiは世界語なんですね。ちなみに私、「Takoyaki」(たこ焼き)を世界に通じる言葉と信じてそのまま注釈なしに書いたのですが、Oshi並みに通じますかね?
松宮さん ほぼ通じると思いますよ。より丁寧に伝えたいなら「Takoyaki, or octopus balls」というように、「or」で説明をつなげるといいかも知れません。
和花さん ここでの「or」は、「言い換えると」のような意味ですか。
松宮さん はい、「or」は色んな場面で、色んな意味で使えて便利です。このように、コミュニケーションを円滑にするフレーズや単語をたくさん知っていると、英会話がもっと楽しくなると思います。
コインロッカーの使い方を英語で尋ねられ…(和花さん)
和花さん 確かに、そういうフレーズを持っていると、いざって時に助かりますよね。そういえば先日、駅で観光客の方に英語でコインロッカーの使い方を尋ねられ、「英語でどう説明したらいいだろう?」としどろもどろになりました。こういう時に使えるフレーズはあるでしょうか。
松宮さん 最初に「Do this!」(こうするんです)、「Watch me!」(見て下さい)と言って、あとは身ぶり手ぶりで実演するのが一つの方法ですね。大事なのは、こちらの意図が伝わることです。文法的に正しい説明を……と意識しすぎたら、最初の言葉がなかなか出てきません。
優花さん とっさの時に使える「言葉の引き出し」をもっておくのは大事ですね! もし、ライブでのトーク(MC)をひと言で盛り上げられるフレーズがあれば……。
和花さん そんな魔法みたいな言葉ある?
松宮さん それが、なくはないんですよ。
優花さん・和花さん えーっ!
松宮さん 例えば「Guess what!」。カジュアルな会話でよく使われる表現で、驚きやワクワクする情報を提供する前のフレーズです。「Guess what! Our music video was filmed at Tsutenkaku!」(聞いて! 私たちのミュージックビデオ、通天閣で撮ったんだよ!)というふうに。
和花さん 聞き手の注目をひきつけ、期待を高めるフレーズなんですね。
優花さん よしっ! 毎日使おうかな!
和花さん そんなに毎日、面白い話ある?
優花さん Guess what! I passed the NMB48 audition!(聞いて! 私、NMB48のオーディションに受かった!)
和花さん いや、知ってるよ!
◇
【青原和花さんコラム】私を勇気づけてくれた「勇敢に!」
青原和花さん・優花さん姉妹が月替わりで担当する英語についてのコラム。今回は姉の和花さんが担当します。
We gotta be bold
We gotta be brave……
映画「ディセンダント2」の劇中歌「You and me」の1節です。もっと大胆に。もっと勇敢に。そして、自由に。そうしたメッセージが強く込められている歌です。
自分に自信を持てない時によくこの曲を聴きます。すると、じわじわと勇気がわいてくる気がするんです。
私は自分の想(おも)いを口にするのが苦手なほうです。妹で、NMB48のメンバーでもある優花が天真らんまんなキャラクター、私はその姉としてしっかり者のキャラクターとみられがちですが、実はそんなことはなく……。
2人とも似たようなことで悩み、同じような迷いをもち、そして同じようなことを相談しあっています。姉だから常に妹の相談を受け付ける側――ということはなく、私もよく妹に意見を尋ねます。
姉妹だからこその心強さですが、でも、たった一人で背負わないといけないものもあります。2023年のシングル「渚(なぎさ)サイコー!」で初めて歌唱メンバーに選抜されました。
選抜メンバーとはどうあるべきか、周りの期待にどうこたえたらいいのか。
最新シングル「チューストライク」では姉妹で歌唱メンバーに選んでもらった私たちですが、そのときはたった一人で向き合うしかなかった問いでした。でも、そんな時にこの曲を聴き、歌詞を読んで、「私ならできる」と心を奮い立たせることができました。
信じることの尊さ、心を磨くことの大切さ。大胆に、勇敢に振る舞うこと。一つひとつの言葉が背中を押してくれるようでした。
下を向くのではなく、胸をはってみんなの前で大胆に振る舞おう。そうしているうちに、きっと心もついてくる。本当に勇敢な人になれるよ、と言ってもらえたような気がしました。
ミュージックビデオ(MV)も素敵なんです(https://youtu.be/Q0kuJ3lPnPY?si=ZUQZu8kc4toOZtCk)。水の中で、水をはねのけるような勢いでみんなが元気に踊っている姿がすごく印象的で、「これだ! この勢いで私も夢に向かって駆けていきたい!」と感じました。とても胸を打たれる映像と曲なので、ぜひ皆さんにも見て頂きたいと思います!
15周年を迎えるNMB48、11期生を募集中 今夏にはコンサートも
大阪・難波を拠点とするアイドルグループ「NMB48」は2010年から活動を開始し、今秋で結成15周年を迎える。6月22日まで、第11期生となる新メンバーを募集している。オーディションなどを経て合格者が決まる。応募要項など詳細は特設サイト(https://spn.nmb48.com/feature/nmb48_11thaudition)で。
また、NMB48はこの夏、大阪と東京でコンサートを予定している。「天使のユートピア公演2025 with BAND」=7月24日(大阪)、8月31日(東京)▽「ここにだって天使はいる公演 2025」=7月25日(大阪)、8月31日(東京)▽山本望叶さん卒業コンサート=7月26日(大阪)。詳細はNMB48公式サイト(http://www.nmb48.com/)で。
【読者プレゼント企画】和花さん・優花さんのサイン色紙を3名様に
抽選で3名様に、青原和花さ…
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