干上がるダム湖、行き場を失った「ラプラス」 東北で記録的少雨

宮城県栗原市の花山ダムでは、極端な少雨でダム湖の半分ほどが干上がった。雑草に覆われた湖底で、ポケモンのキャラクター「ラプラス」の足こぎボートが行き場を失っていた=2025年8月25日、ドローンで友永翔大撮影  雑草に覆わ [...] The post 干上がるダム湖、行き場を失った「ラプラス」 東北で記録的少雨 appeared first on Japan Today.

干上がるダム湖、行き場を失った「ラプラス」 東北で記録的少雨
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宮城県栗原市の花山ダムでは、極端な少雨でダム湖の半分ほどが干上がった。雑草に覆われた湖底で、ポケモンのキャラクター「ラプラス」の足こぎボートが行き場を失っていた=2025年8月25日、ドローンで友永翔大撮影

 雑草に覆われた湖底で、ポケモンのキャラクター「ラプラス」の足こぎボートが行き場を失っていた。

 宮城県栗原市の花山ダム。今夏、極端な少雨でダム湖の半分ほどが干上がった。その後、むき出しになった湖底に雑草が生え、草原のようになっている。

 「こんなに緑が広がったのは初めて見た」

 そう驚くのは、ダム沿いにあるアウトドア施設、花山青少年旅行村の高橋篤所長(68)。旅行村は湖のそばにテントを張り、カヌーやSUP(サップ)など水上アクティビティーを楽しめるのが売りだ。しかしかき入れ時の夏、キャンプ場の予約は昨年の4分の1に激減した。

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2023年10月22日に撮影されたラプラスボートの船着き場周辺。ダムに水が満たされている状況が分かる=花山青少年旅行村提供

 高橋さんは「水のない時点でキャンパーは引く。商売あがったり」と苦笑いだ。8月末に予定していた初心者向けのサップ教室も、やむなく中止を決めた。

 花山ダムのある宮城県北部や岩手県南部は6~8月にまとまった雨が降らず、ダムの貯水率も低い状況が続く。花山ダムは17.2%(9月1日午前11時現在)で、直近10年の平均貯水率85%をはるかに下回っている。近くの鳴子ダム(宮城県大崎市)は、この1カ月、貯水率0%が続いている。

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渇水でひび割れた湖底に草が茂る花山ダム=2025年8月25日、宮城県栗原市、ドローンで友永翔大撮影

 花山ダムは農業用水と飲み水を供給している。最も水を必要とする出穂期、下流の田んぼでは地域を分け、限られた時間だけ順番に配水する対策をした。管理事務所は「出穂期を終え、農業用水の需要はピークを過ぎた」と、なんとか乗り切ったとの考えだ。ただ、今後は「上水道で不安な部分がある」という。

 仙台管区気象台によると、花山ダムのある東北地方太平洋側の7月の降水量は平年比28%で、過去3番目に少なかった。東北地方日本海側では平年比わずか13%。1946年の統計開始以降、7月として最も少ない降水量だった。

 気象台は、東北地方太平洋側では今後1カ月も高気圧に覆われやすいため、降水量は平年並みか少ないと見込んでいる。

【動画】渇水で現れた湖底に草が茂る花山ダム=友永翔大撮影

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