多難なシリア新政権、安定の鍵握るトルコ・米国 日本は復興支援を

シリアのアサド政権からの解放を喜ぶ市民ら=2024年12月13日午後1時39分、ダマスカス、内田光撮影 記者解説 イスタンブール支局長・根本晃  昨年12月、アサド政権崩壊から5日後に訪れたシリアの首都ダマスカスは自由の [...] The post 多難なシリア新政権、安定の鍵握るトルコ・米国 日本は復興支援を appeared first on Japan Today.

多難なシリア新政権、安定の鍵握るトルコ・米国 日本は復興支援を
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シリアのアサド政権からの解放を喜ぶ市民ら=2024年12月13日午後1時39分、ダマスカス、内田光撮影
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記者解説 イスタンブール支局長・根本晃

 昨年12月、アサド政権崩壊から5日後に訪れたシリアの首都ダマスカスは自由の風が吹いていた。人々は音楽に合わせて踊り、拷問や密告の恐怖で支配した独裁者を口々に非難した。

 シリアは中東の中心部に位置し古くから栄えてきた。ダマスカスは世界最古の都市ともされる。様々な民族や宗教が入り交じり「中東の活断層」とも呼ばれる。

 1970年にハフェズ・アサド氏がクーデターで実権を握り、アサド家による支配が続いてきた。2011年、中東の民主化運動「アラブの春」を受けて反政権デモが拡大。ハフェズ氏の次男のバシャール・アサド氏の政権は武力で弾圧し、衝突が拡大した。

 内戦では「イスラム国」(IS)などの過激派組織も台頭。シリア北東部のクルド人主体の武装勢力シリア民主軍(SDF)を交えた戦闘が繰り広げられた。

 シリア人権監視団(SOHR)によると11年以降の犠牲者は60万人を超える。シリア全体の人口の半数以上にあたる約1200万人が難民・避難民となり「今世紀最大の人道危機」とされた。

 アサド政権はロシアやイランの支援で優位を保っているはずだった。過激派組織シャーム解放機構(HTS)が主導する反体制派が2週間足らずで政権を崩壊させたことは衝撃だった。

 シャーム解放機構は、国際テロ組織アルカイダ系のヌスラ戦線が源流だ。国際社会に警戒感があるなか、少数派や女性を尊重する姿勢をアピールしつつ、新しい国造りを進めている。アサド政権下の軍や治安機関の解散を表明し、3~5年以内をめどに新憲法の起草や大統領選を実施する予定だ。

ポイント

 シリアのアサド政権を倒した反体制派による暫定政権が、新たな国造りを進めている。武装勢力との衝突が続いており、今後の安定に向けてはトルコと米国が鍵を握る。激動の中東情勢の行方は、原油の9割を依存する日本にとっても影響が大きい。

 暫定政権の大統領にはシャー…

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