国交正常化60年「文化を通じた共生を」 前駐日韓国文化院長が寄稿

孔炯植(コンヒョンシク)・前駐日韓国文化院長=本人提供  今年は日本と韓国が1965年に国交を正常化してから60年という節目の年にあたる。2度にわたって日本で勤務し、両国の関係を見つめてきた孔炯植(コン・ヒョンシク)前駐 [...] The post 国交正常化60年「文化を通じた共生を」 前駐日韓国文化院長が寄稿 appeared first on Japan Today.

国交正常化60年「文化を通じた共生を」 前駐日韓国文化院長が寄稿
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孔炯植(コンヒョンシク)・前駐日韓国文化院長=本人提供

 今年は日本と韓国が1965年に国交を正常化してから60年という節目の年にあたる。2度にわたって日本で勤務し、両国の関係を見つめてきた孔炯植(コン・ヒョンシク)前駐日韓国文化院長が、このほど韓国へ帰国した。離日を機に、朝日新聞に寄稿した。

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 2010年の夏、私は東京の韓国大使館の広報担当の参事官として日本に初めて赴任した。

 公職に足を踏み入れたばかりの1996年秋の日本出張での良いイメージのほか、父親は名古屋、妻は大阪で生まれたという格別な縁も加わり、期待感は大きかった。

 しかし、実際に生活を始めてみると、日本はやはり韓国とはずいぶんと異なる国だった。言葉もうまくはなかったが、社会システムにも不慣れで試行錯誤をするしかなかった。

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 そんな状況で東日本大震災が発生した。メディア対応に追われるなか、その2年前に始まった「日韓交流おまつり in Tokyo」の開催をどうするか、当時の駐日韓国文化院長と一緒に悩んだ末に、東日本大震災で困っている日本の市民を応援するコンセプトで企画を立てた。仙台市立八軒中学校と東京韓国学校の生徒たちによるアンジェラ・アキ作曲「手紙~拝啓十五の君へ~」の合唱は深い感動として印象に残っている。韓日両国の市民はこの祭りで互いを思いやる心を確認し、共感したと思う。

 21年11月、今度は文化院長として日本に赴任した。22年にはサッカーW杯の韓日共催20周年を記念する特別写真展を、23年には韓流20周年をテーマに福島で特別公演を開催した。東日本大震災の当時に訪れていた福島の市民のために、新年祝賀公演として用意したのだ。歌手のキム・ヨンジャさんと韓日の観客たちが一緒に笑いと涙の感動の時間を過ごした。

■日本の大衆文化開放がなかったら

 文化は二つの顔を持っている…

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