「古古古米はニワトリが一番食べている」 農水省が否定する根拠とは
ファクトチェック ファクトチェック対象=原口一博衆院議員の発言 「古古古米はニワトリさんが一番食べているんですよ。人間様は食べていないんですよ」 (原口氏が6月7日に自身のX=旧ツイッター=に投稿した佐賀市での参院選関 [...] The post 「古古古米はニワトリが一番食べている」 農水省が否定する根拠とは appeared first on Japan Today.

ファクトチェック対象=原口一博衆院議員の発言
「古古古米はニワトリさんが一番食べているんですよ。人間様は食べていないんですよ」
(原口氏が6月7日に自身のX=旧ツイッター=に投稿した佐賀市での参院選関連の集会の動画から。随意契約で放出された備蓄米に触れた後に発言した)
備蓄米、フードバンクやこども食堂にも
立憲民主党の原口一博衆院議員(佐賀1区)が7日に佐賀市であった連合佐賀の総決起集会で語った。発言の動画は自身のX(旧ツイッター)に投稿している。
備蓄米制度は、冷夏で戦後最悪の作況指数74となった1993年の「平成の米騒動」をきっかけに95年から始まった。不作や震災などの緊急時に放出するため、政府は毎年約20万トンのコメを買い入れ、温度や湿度を管理した全国の民間倉庫など約300カ所で、約100万トンを目安に備蓄している。
原口氏はあいさつで、政府が放出する備蓄米を「古古古米」と呼び、「あんなに恩着せられて買うもんですか」とも述べた。
農林水産省によると、コメ価格の高騰を受け、保管期間が3~4年程度の「古古古米」(2021年産)の備蓄米も放出し、コンビニなどで販売されている。「古古古米」を含めた保管中の備蓄米が飼料用として放出されることはなく、「ニワトリが一番食べている」ことはない。また、過去に保管中の備蓄米を放出した例はあるが、災害時や、こども食堂やフードバンク、学校給食の一部に提供するなど食用目的だった。
期限過ぎた「古古古古古米」は飼料用に
一方で、保管期限の5年が過ぎた「古古古古古米」は、ほとんどがニワトリのエサなどの飼料用として売却されている。
原口氏は同じあいさつで、「あれ(古古古米)、5キロ、83円ですよ。83円で、それを2千円以上でやっている」と価格に言及した。
原口氏はその時点で根拠を示さなかったが、農水省によると、直近の23年度に保管期限の5年が過ぎるなどして、業者に売却した備蓄米は1キロ約49円、5キロ換算で約245円で、原口氏が示した「古古古米」の価格より約3倍高かった。
そもそも、飼料用米などとして業者に売却した価格と、流通や人件費などの経費が上乗せされ、店頭に並ぶ主食用の備蓄米の小売価格(5キロ、2千円程度)を比べることは適切ではない。
朝日新聞は13日に原口氏に見解を問う質問状を送り、原口氏側から「動画撮影付きでの取材に応じる」との連絡があったが、その後、原口氏はけがで入院。改めて質問状を送ったが、26日午後2時現在、回答はない。
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原口氏から回答が届き次第、デジタル版に掲載します。
【判定結果=誤り】
農林水産省によると、備蓄米は「主食用」として保管され、原則5年の保管期限が過ぎたコメは家畜が食べる飼料用として売却されることが多い。ただ、保管期間が3~4年程度の「古古古米」を含む保管中の備蓄米が飼料用として放出されることはなく、過去に保管中の備蓄米を放出した例はあるが、主食用や加工用だった。
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