ジェット機、しゃもじ、何が適切？　外交儀礼の贈り物の決まりを探る

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　カタールが米国のトランプ政権に推定数百億円とされるジェット機を贈り、話題になりました。岸田文雄首相（当時）がウクライナのゼレンスキー大統領に「必勝しゃもじ」を贈るなど、贈り物は外交の場面によく登場します。贈るものの種類や価格にはどんな決まりがあるのでしょうか。外務省で贈り物の調達などを担当した日米文化教育交流会議日本側事務局長の杉田明子さん（66）に聞きました。

贈呈品の選定、ネットワークを駆使

　――日本の首相も海外の要人に、贈り物を渡しています。誰が、どのように選んでいるのでしょうか。

　外務省では贈り物全般を「贈呈品」と呼んでいます。首相や首相夫人から、国家元首や首相といった方に贈る場合、その候補は、外務省の職員がその地域に明るい部署などと相談しながら選んでいます。

　私自身も現役の時にそういった仕事をしており、来日した賓客やその配偶者への贈呈品の選定をしていました。天皇陛下が国賓に贈る場合の品選びは、宮内庁が担当します。

　――どのようなものを贈るのでしょうか。

　この春、天皇皇后両陛下がブラジル大統領夫人に佐賀錦のバッグを贈られたように、伝統工芸品も多いです。

　外務省は、現地の大使館などのネットワークを活用して調べた、賓客のプロフィルを持っています。趣味が分かれば、ゴルフクラブやテニスウェアなどを選ぶこともあります。趣味や特殊な事情がない婦人には、MIKIMOTOの真珠のアクセサリーをお贈りしたこともありました。

　――金額に上限はあるのでし…