尺八演奏家・藤原道山さんが広げた音楽 個性と出会い、生み出す調和

今年、デビュー25周年を迎えた藤原道山さんのキャリアは、多様な分野の音楽との出会いなしに語れないといいます。自分ひとりで演奏できる尺八の演奏家が大切にしてきた「みっつ」は、他の誰かとつくる音楽と、それを追い求める好奇心が生み出したものです。
藤原道山さんの「みっつ」
①ピアノとのデュオ ②オーケストラとの共演 ③尺八アンサンブル
《小学5年生で尺八と出会った。様々な音楽に囲まれて育ち、邦楽と洋楽の境界をたやすく飛び越えた》
僕はリコーダー少年だったんですよ。小学校の頃は登下校中まで吹いていました。それを見た家族が「尺八をしてみる?」って。最初は音が全く出なくて悔しかった。1週間ぐらいでちょっと鳴って、のめりこんでいきました。
祖母と母が箏(こと)を教えていて、父はクラシックにジャズ、ロックとなんでも聴いた。流行の歌謡曲を耳にすることもありました。自分の中で音楽をカテゴライズしていませんでした。
中学生の頃には、僕の師匠(人間国宝の故・初代山本邦山)が出されたジャズピアノとのアルバムを、ピアノを弾く叔父とカバーしました。かっこよかったんです。
各国の音楽を楽器一つで表現できる、ピアノの多様性にひかれていました。一緒に演奏するとき、僕は旅行しているような感覚になります。
《デビュー後もピアノとのデュオを大切にしてきた》
2004年にアルバム「空 …
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