なぜ2人は電車にはねられたか 訪日客を戸惑わせる踏切の潜在リスク
事故があった現場。死亡した2人は遮断機の内側に立ち、横断歩道の信号待ちをしていたとみられる=2025年1月10日、神戸市垂水区、原野百々恵撮影 神戸市の踏切で1月、中国籍の女性2人が電車にはねられ死亡した。事故は中国で [...] The post なぜ2人は電車にはねられたか 訪日客を戸惑わせる踏切の潜在リスク appeared first on Japan Today.

神戸市の踏切で1月、中国籍の女性2人が電車にはねられ死亡した。事故は中国でも報道され、悲しみが海を越えて広がった。その後、現場では安全対策が施されたが、中国メディアの記者は、日本の踏切には隠れた危険があると指摘する。
遮断機の内側に
神戸市垂水区の西舞子エリア。淡路島の対岸に位置し、南側の海沿いには明石海峡大橋を望めるカフェなどが点在する。
1月9日の昼下がり、2人の女性が踏切を横断する様子が、付近の防犯カメラに記録されていた。
中国・江蘇省から来日していた楊景文さん(24)と張新恰さん(23)。兵庫県警によると、2人とも初めての日本旅行だった。
北側から踏切に入り、山陽電鉄とJR神戸線の計4本の線路を渡り終えた、はずだった。
2人は南側の遮断機の内側で立ち止まる。ほどなくして遮断機が下り、やってきた山陽電鉄の普通電車にはねられた。
通学路からも外された踏切
なぜ、遮断機の内側にいたのか。
現場の南側には、線路と並行して国道2号が走る。そして遮断機のすぐ外側は、信号機付きの横断歩道。遮断機から車道までの待機スペースは1.4メートルほどしかない。しかも急斜面だ。国道の交通量も多い。
県警幹部が着目したのは、2人から見て遮断機の向こうにあった信号機。「どこで信号待ちをしていいか分からず、誤って遮断機の内側で待ってしまったのではないか」とみる。
この踏切について、近くに住む70代の女性は「横断歩道の手前の待機スペースが狭くて、引っ越して来たばかりの頃は危なくて驚いた」という。スーパーなどに行く際に使うが、「今でも怖い」。
北側からの踏切の入り口には「キケン! 小学生はこのふみきりを渡ってはいけません」と書かれた、古びた看板がある。
校区の小学校のPTAが設置したといい、教頭によると、この踏切を通学路から外している。児童には、近くの西舞子駅の地下道を通るように指導しているという。
事故を受け、県警と神戸市、山陽電鉄、JRなどは事故の再発防止に向けた検討会や協議会を重ねてきた。
5月には、踏切の内側の路面上に、ピクトグラム(図記号)と、「踏切内に立ち止まらないで」と日本語、英語、中国語(簡体字、繁体字)などで書かれた注意書きが地面に設置された。
国土交通省兵庫国道事務所によると、今後、横断歩道と信号機の位置を西側にずらし、待機スペースを広げる改修工事にも着手するという。
踏切は「日本っぽいもの」
事故は2人の身元が判明した直後、中国でもテレビなどで報じられた。
「日本だからといって、安全だとは限りません」
上海東方テレビ東京支局長で特派員の宋看看さん(49)は、中国向けのテレビニュースの中で、そう呼びかけた。
宋さんによると、中国での反…
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