西田議員の原爆慰霊碑碑文「違和感」発言に、広島市長「広島に来て」

定例会見に臨む広島市の松井一実市長=2025年5月14日午前10時31分、広島市役所、柳川迅撮影  自民党の西田昌司参院議員が今月7日、広島市の平和記念公園の原爆死没者慰霊碑の碑文「安らかに眠って下さい 過ちは繰返しませ [...] The post 西田議員の原爆慰霊碑碑文「違和感」発言に、広島市長「広島に来て」 appeared first on Japan Today.

西田議員の原爆慰霊碑碑文「違和感」発言に、広島市長「広島に来て」
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定例会見に臨む広島市の松井一実市長=2025年5月14日午前10時31分、広島市役所、柳川迅撮影

 自民党の西田昌司参院議員が今月7日、広島市の平和記念公園の原爆死没者慰霊碑の碑文「安らかに眠って下さい 過ちは繰返しませぬから」について、「誰が誰に言っている言葉なのか、取り方によって全然違いますよね。そこが全く明らかにされないまま、とにかくみんなが拝んでるんですよ。平和が大事だと。それが日本の戦後なんですよ」などと発言した。これに対し広島市の松井一実市長は14日の定例会見で「明らかにされていないという事実はございません」と述べ、西田議員に広島を訪れ被爆の実相に触れるよう求めた。

 西田議員は3日、那覇市内での講演で、沖縄戦で犠牲になった学徒隊の生徒らを慰霊する「ひめゆりの塔」(沖縄県糸満市)について、説明内容を「ひどい」「歴史の書き換え」などと述べ、身内の自民党沖縄県連も含めて多方面から批判を受けた。発言を説明した7日の会見では広島の原爆死没者慰霊碑の碑文にも言及し「ものすごく違和感がある」などと述べ、沖縄や広島での戦争の展示が「明らかに東京裁判史観によって表記されている」とも発言した。

 さらに9日の会見では米国が原爆を投下したことに触れ、「アメリカが碑文の文章を発するのならわかりますよ。日本人がその文章を発しているんだということを考えると、どうなりますか。意味は全然、180度変わってしまう」と述べた。

 市は公式サイトで「すべての人びとが原爆犠牲者の冥福を祈り、戦争という過ちを再び繰り返さないことを誓う言葉」と碑文の趣旨を解説している。松井市長は会見で市の見解を説明し「誰に言っているのか明らかにされていないというのは、誤解している」と述べた。その上で「西田議員にはぜひ本市に来て、被爆の実相に触れていただく。必要であれば碑文の趣旨もしっかりと説明しますので理解を深めていただきたい」と話した。

 慰霊碑は1952年に建てられ、碑文は広島大の故・雑賀忠義教授が考案した。碑文の主語を巡っては論争が続き、70年に当時の山田節男市長が「碑文の主語は『世界人類』であり、人類全体への警告、戒めである」との見解を示した。だが、その後も碑にペンキをかけられたり、右翼団体構成員が碑文を傷つけたりする事件が起きている。

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