第2回熱狂のなか当選、そして転落 元香港区議「政治に関わらなければ…」

元香港区議の李志宏さん=2025年6月5日、香港、高田正幸撮影  応募した五つほどの就職先からは全て断られた。短期の仕事で糊口(ここう)をしのぐ。それが、李志宏(30)のいまの暮らしだ。  李はもともと香港の沙田区の議員 [...] The post 第2回熱狂のなか当選、そして転落 元香港区議「政治に関わらなければ…」 appeared first on Japan Today.

第2回熱狂のなか当選、そして転落 元香港区議「政治に関わらなければ…」
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元香港区議の李志宏さん=2025年6月5日、香港、高田正幸撮影

 応募した五つほどの就職先からは全て断られた。短期の仕事で糊口(ここう)をしのぐ。それが、李志宏(30)のいまの暮らしだ。

 李はもともと香港の沙田区の議員だった。しかし区議資格を剝奪(はくだつ)されてから、実現すべき理想と目標を見失ってしまった。「まずは自分を養うことを考えなくてはならない」

【連載第1回】民主派政党「ゲームオーバー」 共産党関係者と会食、追い込まれた冬

香港国家安全維持法(国安法)が2020年6月30日に施行されて5年。香港政府は自由を求めて声を上げた人々を追い詰め続けています。いまもその軛(くびき)から逃れられられない市民の姿を追いました。

 李が当選したのは、香港各地で計450超の議席が争われた2019年11月の区議選だった。

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香港区議会選挙の投票のために行列をつくる有権者。民主派が議席の8割以上を獲得して圧勝した=2019年11月24日、香港・沙田、高田正幸撮影

 香港ではこの年、刑事事件の容疑者を中国本土に引き渡すことを可能にする「逃亡犯条例」改正案への抗議をきっかけにしたデモが繰り返されていた。

 民主派は区議選を「政府への不信任投票」と位置づけ、全選挙区に候補者を擁立。李もその一人だった。

 投開票日、李は数十人の支持者とともに区議選の開票所で結果を待った。夜になって李の当選が決まり、さらに各地の民主派の勝利も伝えられた。

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香港で2019年11月25日未明、民主派が勝利した区議選の選挙結果を祝う市民ら=AP

 予想を上回る勝利に支持者が喜びを爆発させる中、李はどこか冷静になっていく自分に気がついていた。

的中してしまった「予感」

 「この結果が放っておかれる…

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