竜巻損壊の住宅で被害認定調査 屋根のみ損傷、評価低くなる懸念も

竜巻被害で住宅が大きな被害を受けた牧之原市や吉田町で、支援を受ける際に必要な「罹災(りさい)証明書」を発行するための被害認定調査が本格化している。職員不足が懸念されるが、12日には周辺市町の職員も両市町の応援に入り、建物の傾きを調べたり室内を撮影したりして、タブレットに損傷具合などを記録した。
牧之原市では12日、応援職員20人を含む30人が細江地区の被害家屋を調べて回った。浜松市資産税課の高橋宏昌さん(51)は能登半島地震の応援で被災地を調査した経験がある。被災状況を目の当たりにし、「地震と比べると、竜巻は飛来物による損傷がひどい」と驚く。牧之原市税務課の落合洋亮さん(30)は「規模が多くて大変だが、被災者に寄り添いながら丁寧に見ていきたい」と話した。
調査に立ち会った男性会社員(60)の自宅は木造2階建てで、屋根が3分の2ほど吹き飛ばされた。5日夕方、仕事から戻ると、窓ガラスがほとんど割れ、天井から空が見えていて、室内もぐちゃぐちゃだったという。飼っているトイプードル2匹が1階で震えていて、「奇跡的にけがをしていなかった。それだけは本当によかった」。
市内に住む兄の家に妻と身を寄せ、自宅を片付けながら仮住まいの家を探している。「今日も不動産業者5軒を回ったが、犬2匹を連れて入れる物件は1戸しか見つからなかった」とこぼした。
調査を受けた後、「再建に向けて一歩進むことができた」としながらも、「判定次第で保険金や支援金などの額が変わる。この年齢で今から住宅ローンを組むのは難しい」と打ち明ける。ここに平屋建ての小さな家を建て直すか、よそで中古物件を購入するか、賃貸物件に一生住むか。「妻は30年間住み慣れたここに戻りたいというが、この先どうすればいいのか。不安しかありません」。
牧之原市は被害認定調査のほか、罹災証明書の受け付けや避難所の運営の業務のため、県内17市10町からのべ182人、友好関係にある市町など県外7市2町からのべ119人の応援職員を受け入れる。杉本基久雄市長は1カ月をめどに被害認定調査を終わらせたい考え。「被災者の皆さんが、一刻も早く仮設住宅に移ったり再建の方針のめどを立てたりできるように取り組む」と述べた。
■屋根の損壊、「全壊」「半壊…
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