来春閉校の3小学校、記念品に手づくりのパスケース

郷土愛を育む思い出の品を――。122年の歴史に幕をおろす北海道砂川市の空知太小学校で、児童たちが「閉校記念品」を手づくりした。地元企業が素材を提供する「牛革のパスケース」。スクールバスの乗車証を入れて来春、新設の統合校へ通う。
全校生徒約100人が体育館に集まり、1時間ほどかけて作った。ケース本体の表裏2枚の革を合わせ、縁にそって開けられた穴に革ひもを通していく。編み込むような「かがり縫い」で、5年生の稲垣侑さん(11)は、「今までの工作と違って接着剤を使わず、手でつくる感じが強かった」と話す。
旧産炭地の再興を目的に創業した市内の馬具メーカー「ソメスサドル」が学校から相談を受け、「子どもたちが手軽にできるものに」と応じた。自社製バッグの端材を記念品用に仕立てた。
この日は約30人の職人が学校に出向き、一人ひとりの作業を手伝った。「大人になっても使えるので、大事にして」と呼びかけた。後日、閉校記念の刻印をして子どもたちに渡す。
ほかにも2校(北光、豊沼)が9月上旬までに、同じパスケースをつくる。この3校を含む市内の全小中学校6校は2026年春に統合され、9年間の義務教育学校「砂川学園」になる。
空知地方の各自治体ではここ数年、義務教育学校への統合が続く。道内の小学校は15年前より30%近く減り、今後も減少が続く見通しだ。閉校する学校の多くは、PTAや同窓会と相談して記念品や記念誌をつくっているという。
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