杉並の寺に眠るインド「英雄」の遺骨 訪日首相が訪れなかった理由は

インドのモディ首相が8月末に来日し、石破茂首相との首脳会談後、宮城県の半導体メーカーなど各所を訪れた。だが、就任後8度目の訪日となったモディ氏に、関係者が期待しながら実現しなかったことがある。インドの「英雄」の遺骨が眠る寺への参拝だ。
「英雄」とは、1940年代までのインド独立運動を率いたスバス・チャンドラ・ボース。東京都杉並区の住宅街にある蓮光寺にその遺骨は安置されている。本堂にまつられる遺骨が一般公開されるのは、8月18日の命日に限られる。
寺の正面にはボースの胸像がある。今年の命日にはインド国旗が首に巻かれていた。「参拝に来たインドの方が掛けたのでしょう」。望月教善住職(51)は話す。
望月さんは約20年前に結婚して寺に入った。ボースのことは漫画で知っていただけ。日本で安置されているのも初耳で、驚いたという。
記事の後半では日印関係史が専門の研究者が、ボースの遺骨が眠る蓮光寺へのインド首相参拝をめぐる背景や歴史的な意味合いを解説します。
住職によると、ボースは45年8月18日に日本統治下の台湾で事故死したが、ボースが率いたインド国民軍(INA)の関係者は、遺骨を預かってもらうよう日本の寺院に頼んで回った。
だが、当時の日本は米国を中心とする連合国の進駐軍がいる占領下。同じ連合国側のイギリスと戦った「英雄」の遺骨を預かって「敵」とみなされることを恐れてか、断られ続けたという。
そんな中、「霊魂に国境はな…
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