妊娠中の鉄不足でマウス胎児がオス→メス、遺伝子の働き変化 大阪大

 妊娠中の鉄不足で、マウスのオスの胎児が一部、メスになることを大阪大などのグループが突き止めた。ヒトにただちにあてはまる結果ではないが、哺乳類の性決定の制御に鉄がかかわることを示した。  哺乳類の性は、性染色体の組み合わ [...] The post 妊娠中の鉄不足でマウス胎児がオス→メス、遺伝子の働き変化 大阪大 appeared first on Japan Today.

妊娠中の鉄不足でマウス胎児がオス→メス、遺伝子の働き変化 大阪大

 妊娠中の鉄不足で、マウスのオスの胎児が一部、メスになることを大阪大などのグループが突き止めた。ヒトにただちにあてはまる結果ではないが、哺乳類の性決定の制御に鉄がかかわることを示した。

 哺乳類の性は、性染色体の組み合わせで決まり、オスがXY型、メスがXX型だ。胎児期の適切なタイミングでY染色体にある「Sry遺伝子」が働くと、精巣ができてオスになる。この遺伝子が働くために必要な酵素に鉄イオンが欠かせないことが知られていた。

 グループは、マウス胎児の性決定に重要な遺伝子を調べていたところ、精巣や卵巣になる生殖腺で鉄イオンの蓄積を促す遺伝子の働きが高まっていることを見つけた。

 マウスの生殖腺の細胞で鉄を取り込めないように操作すると、Sryが働かず、オスからメスになることを確認した。

 次に、マウス胎児の性決定に重要な時期に、母親を5日ほど薬で鉄が不足した状態にした。Y染色体をもつ子ども72匹のうち、4匹は二つの卵巣を発達させ、1匹は卵巣と精巣を発達させた。

写真・図版
鉄不足にした母親から、精巣と卵巣をもつマウス(中央)や卵巣をもちメス化したマウス(右)が生まれた。左はオス=大阪大提供

 長期的な鉄不足の影響を調べ…

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