吹田市立小いじめ訴訟、市の敗訴が確定 最高裁が上告不受理決定

学校  大阪府吹田市の市立小学校で2018年度にいじめを受けて不登校が続いたとして、当時6年生の男子児童と両親が、市と、同学年だった2人に計680万円の損害賠償を求めた裁判で、最高裁は市の上告受理申し立てを不受理とする決 [...] The post 吹田市立小いじめ訴訟、市の敗訴が確定 最高裁が上告不受理決定 appeared first on Japan Today.

吹田市立小いじめ訴訟、市の敗訴が確定 最高裁が上告不受理決定
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 大阪府吹田市の市立小学校で2018年度にいじめを受けて不登校が続いたとして、当時6年生の男子児童と両親が、市と、同学年だった2人に計680万円の損害賠償を求めた裁判で、最高裁は市の上告受理申し立てを不受理とする決定をした。決定は8月8日付。市の敗訴が確定した。

 一連の判決によると、男子児童は同級生から仲間外れなどのいじめに遭い、18年10月から不登校に。クラスでは受験勉強を理由に休んでいるなどと事実と異なるうわさを言う同級生も現れた。学校はクラス全員にアンケートを実施し、うわさを言った同級生の名前を把握した。

 一審・大阪地裁は、把握した情報を母親に提供しなかったなどの学校の対応を違法と判断した。男子児童はうわさをした同級生がわからず不安が解けなかったため、登校は再開したものの、教室には復帰できないまま卒業。地裁は、学校の違法な対応がなければ教室へ復帰できたとして学習権侵害を認め、慰謝料として50万円を払うよう市に命じた。控訴審の大阪高裁は一審判決の判断を維持した上、一審より10万円多い計60万円を男子児童と両親に支払うよう市に命じていた。

 一審判決は、いじめ防止対策推進法や文部科学省のガイドラインなどを参照して学校側の対応を検討。うわさをした同級生を別室学習にするといった対応によって、男子児童の教室復帰が可能だったとも推認していた。原告の男子児童は朝日新聞の取材に「被害者の学習権を守る必要があるという今回の判決によって、これから先、教室で学び続けられる被害者が増えれば良いと思います」とコメントした。

 吹田市教育委員会は「主張が一部認められず残念だと言わざるを得ない。ガイドラインに基づく対応の徹底を図り、より一層、児童生徒の学習機会が保障され、保護者との信頼関係が構築された学校づくりに取り組む所存です」とコメントした。

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