北大ワンゲル部 受け継がれる「渡り鳥」精神 登山ガイド・野村良太

北大ワンダーフォーゲル部70周年記念祝賀会でのスピーチ。「ワンダーフォーゲル」とはドイツ語で「渡り鳥」を意味する=札幌市、本人提供 野村良太の山あり谷あり大志あり:25 2022年に前人未到の北海道分水嶺(ぶんすいれい) [...] The post 北大ワンゲル部 受け継がれる「渡り鳥」精神 登山ガイド・野村良太 appeared first on Japan Today.

北大ワンゲル部 受け継がれる「渡り鳥」精神 登山ガイド・野村良太
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北大ワンダーフォーゲル部70周年記念祝賀会でのスピーチ。「ワンダーフォーゲル」とはドイツ語で「渡り鳥」を意味する=札幌市、本人提供

野村良太の山あり谷あり大志あり:25

2022年に前人未到の北海道分水嶺(ぶんすいれい)積雪期単独縦断を達成し、28歳で植村直己冒険賞を受賞した道内の山岳ガイド野村良太さんのコラム(紙面は北海道支社版掲載)です。

 300人の熱気と会場の空調とがせめぎ合っている。壇上の僕には目もくれず、旧友との再会を喜ぶ顔が大半を占めていた。

 北海道大学ワンダーフォーゲル部70周年記念祝賀会。7月某日、全国各地、中には海外からもOB・OGが集結し、札幌のホテル会場を埋め尽くした。

 僕はOB会から依頼をもらって簡単なスピーチを始めた。だが、乾杯直後ということもあってか、聞いている様子は感じられない。無理もない。学生時代の感受性が豊かな4年間に、文字通り「同じ釜の飯を食った仲間」と久しぶりに会ったのだ。話に花が咲かないわけがない。

 そうしてふと、10年前のことを思い出した。60周年記念祝賀会があったとき、僕はまだ2年生だった。入部してから1年と少ししか経っていなかったあの頃は、OBと話をしても、出てくる山の名も人の名前もさっぱり分からない。一方で先輩は、あの夏の日高山脈の計画は楽しかった、あの冬の大雪山の猛吹雪は厳しかった、なんて話で盛り上がっている。景色が思い浮かばない僕は、相づちを打つのが精いっぱいだった。

  • 【連載①】「強い山屋になりたい」北大ワンゲル元主将 北海道分水嶺縦走63日
  • 【連載②】日高山脈を前に「食料がネズミに」 北海道縦走中のピンチ救った女性
  • 【連載③】「成長したかは次の挑戦でわかる」北海道縦走達成、次なる未踏の山へ

 なんと絆が深く、部への愛に…

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