プロの指導で演奏に豊かな響き 吹奏楽の絆コンサート、1千人を魅了

小林恵子さんの指揮で演奏する、府中市合同バンドと東京佼成ウインドオーケストラ=東京都府中市浅間町1丁目の府中の森芸術劇場、魚住ゆかり撮影  中学生の吹奏楽部員らにプロが指導する公開レッスンとコンサートを組み合わせた「吹奏 [...] The post プロの指導で演奏に豊かな響き 吹奏楽の絆コンサート、1千人を魅了 appeared first on Japan Today.

プロの指導で演奏に豊かな響き 吹奏楽の絆コンサート、1千人を魅了
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小林恵子さんの指揮で演奏する、府中市合同バンドと東京佼成ウインドオーケストラ=東京都府中市浅間町1丁目の府中の森芸術劇場、魚住ゆかり撮影
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 中学生の吹奏楽部員らにプロが指導する公開レッスンとコンサートを組み合わせた「吹奏楽の絆コンサート」(同コンサート実行委員会主催)が18日、府中の森芸術劇場(東京都府中市)で開かれた。中学生と東京佼成ウインドオーケストラ(TKWO)が生み出す豊かな音楽に、約1千人の観客が聴き入った。

 参加した二つの中学生合同バンドのメンバーは計約70人。先月末にTKWOの団員らから楽器別のレッスンを受けて、この日に臨んだ。

 前半でプロの指揮者による合奏の公開レッスンを受け、後半では、TKWOとの合同で、レッスン曲を披露した。

 TKWOもリード作曲「春の猟犬」など8曲を披露。迫力ある豊潤なサウンドで、観客を魅了した。

 都内合同バンドは、スウェアリンジェン作曲「インヴィクタ序曲」に取り組んだ。

 「周りの音をよく聴いて、一緒に演奏してね」「ホールは楽器。すみっこまで使って」。指揮者の小林恵子さんのアドバイスで、ばらばらだった音が、みるみるまとまっていった。

 足立十中の竹内和香奈さん(3年、ホルン)は、「部活は少人数なので、大人数の心情をのせた力強い響きに感動しました。とても刺激的な経験で、一生の宝物になりそうです」。

 三鷹二中の阿部恵也さん(3年、トランペット)は、「最後の合同演奏のトランペットの音がすごくて、本当に感動しました。部のみんなに、がんばればうまくなれるから、って伝えたい」。

 本所中の川又葵さん(3年、打楽器)は、事前レッスンで教わった奏法でタンバリンやシンバルを演奏した。「雨で順延になった運動会には出られなかったことを忘れるくらい楽しかった。30分のレッスンがあっという間でした。部に帰ったら『吹奏楽って本当に楽しいよ』と伝えたい」と笑顔を見せた。

 都市大等々力中の植田歩生さん(3年、トランペット)は、「個人の技術力を上げたくて参加しましたが、みんなでひとつの音をつくることのよさを感じた。部でもそういう意識をもって演奏したい」。

 府中市合同バンドが演奏したのは樽屋雅徳作曲「マードックからの最後の手紙」。府中一中の石嶋琴子さん(3年、クラリネット)は演奏前の音合わせを先導した。石嶋さんの出す音を基準に、舞台上の奏者が音程を合わせていく。石嶋さんは「緊張したけれど、自分の音にみんなの音が重なっていくのが本当にきれいで。音楽って楽しいなって思いました」と話した。

 府中三中の関口心路さん(3年、打楽器)は細かなリズムを打つタンバリンを担当した。メトロノームを使い、音源を聞いて練習してきたが難しさを感じていた。TKWOの打楽器奏者、和田光世さんが隣でタンバリンを一緒に演奏してくれたため「リズム感を聞いて覚えることができた。演奏でも達成感があったし、やってよかったなって思いました」と語った。

 客席には中学生の姿も多く見られた。同ホールは夏のコンクールでも使用されるため、審査員席近くで演奏を聞こうと開場1時間前から並んで待っていた人も。玉川学園中の持田琴音さん(3年、ファゴット)は、プロの指導を見て「すごく的確で、自分も受けてみたいと思いました。ホールも響きやすくて、すごく良い場所ですね」と話していた。

 指揮者の小林さんは府中市出身。小林さんは「中学校の吹奏楽部時代にこけら落としで演奏したこともあるホールで、吹奏楽の絆を深めるコンサートに参加できてうれしい。合同演奏では、中学生が入ってくれたおかげで、中学生がいなければできない、まっすぐで胸を打つ演奏になりました」と話した。

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