「パナマ運河を取り戻す」は「米の国益を損う」 トランプ氏への警告
パナマ運河でタグボートに引かれる巨大な貨物船=2025年1月28日午後、軽部理人撮影 時速約2キロ。1万超のコンテナを積んだ要塞(ようさい)のような貨物船が、運河を進む。全長約300メートル、幅約50メートル。タグボー [...] The post 「パナマ運河を取り戻す」は「米の国益を損う」 トランプ氏への警告 appeared first on Japan Today.

時速約2キロ。1万超のコンテナを積んだ要塞(ようさい)のような貨物船が、運河を進む。全長約300メートル、幅約50メートル。タグボートが、運河の幅ぎりぎりで航行する船を2本のロープで引っ張る。
「運河は100%パナマが運営している。中国人も米国人も存在しない」
1月下旬、中米パナマ。パナマ運河庁の運営担当幹部ボリス・モレノ氏は語気を強めた。
当たり前のように聞こえる説明だが、モレノ氏の憤りにはわけがある。米国のトランプ大統領だ。
「パナマ運河は中国が支配している」「米国だけ不当に通航料を高く払っている」――。
トランプ氏は2期目の就任直前、突如としてこんなことを言い始めた。そしてこうぶち上げた。「パナマ運河を取り戻す!」
巨大な要塞のような貨物船がゆっくりと進む――。そんなパナマ運河の様子を収めた動画は記事末尾にあります。「パナマの主権はパナマ人のものだ」とトランプ氏に反発する市民の声も収録されています。
トランプ氏が主張する「中国が支配」、その理由は
大西洋と太平洋を結ぶ海上交通の要衝で、年間1万超の船舶が利用する全長80キロのパナマ運河。1914年に完成し、その後は長らく、建設を担った米国の管理下に置かれたが、99年にパナマに全面返還された。
運河返還の際、両国は「永久的に中立かつ国際的に利用可能なものとする」という条約を結んだ。「中国が支配している」との持論を展開するトランプ政権は、パナマが条約に違反していると主張し、「再返還」を迫る。
その根拠の一つに挙げられるのが、香港企業の存在だ。
運河内には五つの港があるが…
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