シャープがマスク?から5年 いま明かす現場の奮闘、54通のメール
現現在も販売されているシャープの不織布マスク=シャープ提供 2023年12月の夜、居酒屋に14人が集まった。 新型コロナウイルス感染症の位置づけが5類に移行し、街に人通りも戻ってきたころ。 「落ち着いたら飲みに行こ [...] The post シャープがマスク?から5年 いま明かす現場の奮闘、54通のメール appeared first on Japan Today.

2023年12月の夜、居酒屋に14人が集まった。
新型コロナウイルス感染症の位置づけが5類に移行し、街に人通りも戻ってきたころ。
「落ち着いたら飲みに行こう」
そう言いながら延び延びになっていた飲み会が、ついに開催された。
集まったのは、三重県多気町にある「シャープディスプレイテクノロジー」の工場で働くメンバー。
この3年半、作ってきたのはディスプレーではなく「マスク」だ。
政府からの要請を受けたのをきっかけに、シャープとして国産の不織布マスクを作ってきたのだ。
14人のうち5人は県外の関連会社からの応援で、まもなく戻ることが決まっている。
メンバーを束ねる統括班長の川上貴大さん(39)は、5人にあるものをプレゼントした。
100円ショップで買った、おもちゃの金メダルだ。
「今まで助けていただいて、本当にありがとうございました」
1人ずつ首にかけて、感謝の言葉を伝えると、こう返された。
「俺らは戻るけどマスクの生産を続けてくれよ。任せたぞ」
川上さんは「任されました。お互い頑張りましょう!」と応じた。
今振り返ってみると、すごいことだと思う。
「多気の工場で生産します。最初の納品は12万枚で、納期は1カ月後です」
上長からそう言われたのが20年2月28日。
液晶一筋16年だったのに、突然マスクを作ることになり、機械が稼働したのは納期の1週間前。
不良品と闘いながら全数検査し、手作業で袋詰めや箱詰めをして、何とか間に合わせた。
そして、5年経った今でも生産・販売を続けているのだから。
納期1週間前に稼働、不良品だらけ
「シャープがマスクを作るらしい」
そんなうわさを川上さんが耳にしたのは、20年の2月中旬だった。
工場には、液晶パネルなどの…
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