90年で現代美術はどう変化したか いま見る昭和初期、バブル崩壊

90年で現代美術はどう変化したか いま見る昭和初期、バブル崩壊

 東京都現代美術館(江東区)で、時代や社会情勢に応じて変化してきた現代美術の90年間をたどる「開館30周年記念 MOTコレクション 9つのプロフィール 1935→2025」が開かれている。

 90年間を10年ごとに区切った9章の構成で、前身の東京都美術館から引き継いだものも含む約6千点のコレクションから、時代に応じて選んだ作品を展示する。

人々のエネルギーと戦争と 戦前からつながる表現

 第1章は1935~44年。実業家の故・福富太郎から2018年に寄贈を受け、コレクションが充実した。現代美術館はかつて、戦後の前衛美術を起点とすることが多かったが、藤井亜紀学芸員は「戦前から戦後への美術のつながりを見ることは重要だ」と話す。

写真・図版
鶴岡政男「リズム」(1935年/1954年)

 画面に勢いよく幾何学模様が飛び交う鶴岡政男の「リズム」(1935年。54年に再制作)は、渋谷の喫茶店「南欧」のために描かれたもの。関東大震災から復興し、大衆文化が華やいだ昭和初期のエネルギーが反映されているようだ。

 一方、この10年間は第2次世界大戦の時期とも重なる。従軍した向井潤吉や靉光(あいみつ)、藤田嗣治による戦争や銃後を描いた作品からは、過酷な状況下で作家としての在りように向き合ったことが感じられる。

 戦後となる第2章から、作家…

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