540キロ離れた三陸に毎月通い、白内障手術続ける眼科医 理由は?

白内障の手術をする佐々木洋さん(中央手前)。この日は長男の允さん(中央奥)が助手を務めた=2025年6月15日、岩手県釜石市、東野真和撮影  四国とほぼ同じ広さの岩手県で、眼科医の少ない沿岸から内陸まで行かなくても白内障 [...] The post 540キロ離れた三陸に毎月通い、白内障手術続ける眼科医 理由は? appeared first on Japan Today.

540キロ離れた三陸に毎月通い、白内障手術続ける眼科医 理由は?
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白内障の手術をする佐々木洋さん(中央手前)。この日は長男の允さん(中央奥)が助手を務めた=2025年6月15日、岩手県釜石市、東野真和撮影

 四国とほぼ同じ広さの岩手県で、眼科医の少ない沿岸から内陸まで行かなくても白内障の手術を受けられるようにと、540キロ離れた石川県から毎月、診療に来る眼科医がいる。13年間で施術は5295回。「命が続く限り続けたい」と話す理由とは。

 岩手県釜石市の「釜石のぞみ病院」の眼科には毎月1回、日曜の朝6時半から白内障の手術を受けに多くの中高齢者がやってくる。6月15日には36人が手術を受けた。執刀するのは石川県内灘町の金沢医大眼科学講座主任教授・佐々木洋(ひろし)さん(62)だ。

 濁った水晶体を取り除き、眼内レンズを入れるという繊細な手術を1人につき5、6分で次々と休みなく行う。この日は長男で同医大の眼科医・允(まこと)さん(34)が助手として同行。手術室には佐々木さんが選曲したサザンオールスターズや藤井風などポップな曲が流れる。「リラックスして明るい雰囲気でやったほうがテンポよくできる」と言う。

 釜石市の介護施設から手術に来た80歳代男性は術後、「コロナの後遺症か、視力が落ちて困っていた。すぐ終わって痛みもなかった」。数年前に手術した同市の70代女性は「手術前は怖かったが翌日にはすごくきれいに見えた。近くで手術できてありがたい」と、それぞれ感謝している。

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手術前の検査をする佐々木洋さん(左)と補佐する釜石のぞみ病院の葛西款院長(右手前)=2025年6月15日、岩手県釜石市、東野真和撮影

 佐々木さんは新幹線を乗り継ぎ、新花巻駅から車で前日午後に釜石入りし、カルテをチェックして患者の眼球に合うレンズを用意する。当日は午前中に手術を終えると、昼食をかきこみ、翌朝に医大で診療するため足早に帰路につく。北陸新幹線開業前は、東京で1泊して翌朝の飛行機で戻っていた。

 石川県でも昨年1月の地震前…

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