食べられる貝殻、こだわりのスピード加工 大震災支援の水産加工品
「器ごと食べるほたてグラタン」(左)と「すぐほたて」 東日本大震災で打撃を受けた水産加工事業者を支援する水産庁の補助事業「&fish」で、今年度は青森県の3社が新商品を開発した。県特産のホタテを使い「貝殻まで食べられる [...] The post 食べられる貝殻、こだわりのスピード加工 大震災支援の水産加工品 appeared first on Japan Today.
東日本大震災で打撃を受けた水産加工事業者を支援する水産庁の補助事業「&fish」で、今年度は青森県の3社が新商品を開発した。県特産のホタテを使い「貝殻まで食べられる」「水揚げ直後にスピード加工」といったユニークなアイデアが光る商品が出そろった。
事業は東日本大震災で被害を受けた、東北と関東の太平洋沿岸6県の水産加工事業者が対象。ジェイアール東日本企画が実施主体となり、水産加工品の商品開発や販路拡大のサポートを行っている。
2022年度から始まり、今回が3回目。今年度は6県の全47件の応募から23件を採択。青森県内からは3件が選ばれた。
八戸市の水産加工会社、宝成食品が開発したのは「器ごと食べるほたてグラタン」。陸奥湾産のホタテにホワイトソースやマカロニで仕上げたグラタンだが、ホタテの貝殻の形をした器は県産米の米粉を使って焼き上げたもの。モナカのようなパリパリの生地で、器ごと食べられる作りになっている。
青森では郷土料理の貝焼きみそのように、ホタテの貝殻を器の代わりに使うことも多いが、同社社長の河村隆衛さんは「貝殻を洗浄する手間がかかり、ごみも増える。おいしく食べてごみ削減にもつながる商品を目指した」と話す。ゆくゆくは青森を代表するお土産品に育てていきたいという。
青森市でホタテの養殖と加工を手がける山神は、「すぐほたて」という変わったネーミングの商品を作った。陸奥湾で養殖したホタテを水揚げし、車で5分の場所にある加工場ですぐにボイルする。おいしさを逃がさないよう、手早く加工するというスピード感にこだわった。
常温保存商品なので、食べたい時に「すぐに」味わえるのも特徴だ。パッケージには可愛らしいホタテの貝殻をデザイン。同社の穐元美幸さんは「若い世代の人たちにも食べてもらいたいという思いを込めた」。常温なので災害時の食事にも活用できるという。
八戸市の水産加工会社、マルヌシは「金目鯛(きんめだい)漬け丼の素」を開発。八戸港では近年、主力のサバなどの水揚げ量が不安定になっているが、キンメダイの水揚げ量は年間を通して安定していて、活用を思いついたという。地域の隠れた水産資源に着目した商品だ。
事業では開発した商品と、販売先となる通販サイトをつなげるマッチングも実施。青森県内の3商品も大手の通販サイトなどで販売を行っている。また、「&fish」のポータルサイトでも商品の開発秘話などを紹介している。
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「器ごと食べるほたてグラタン」4個入り、1980円
「すぐほたて」塩味、醬油(しょうゆ)味、各35グラム、650円
「金目鯛漬け丼の素」1080円
※値段は税込み、メーカー参考小売価格
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