学生が考えた地域スタンプラリー 認知症の行方不明者捜すアプリ使い

 大阪府北部にある千里ニュータウンの吹田市佐竹台で1日、大学生や中学生らが企画したスタンプラリーが開かれた。認知症による行方不明者の捜索依頼を発信できるスマホアプリを活用した。捜索協力者を増やすだけでなく、多世代で楽しみ [...] The post 学生が考えた地域スタンプラリー 認知症の行方不明者捜すアプリ使い appeared first on Japan Today.

学生が考えた地域スタンプラリー 認知症の行方不明者捜すアプリ使い

 大阪府北部にある千里ニュータウンの吹田市佐竹台で1日、大学生や中学生らが企画したスタンプラリーが開かれた。認知症による行方不明者の捜索依頼を発信できるスマホアプリを活用した。捜索協力者を増やすだけでなく、多世代で楽しみながら佐竹台のことを知ってもらおうと工夫を凝らした。

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今回の企画はQRコード(右下)をカメラで読み込んでクイズに答え、正解するとスタンプがもらえる仕組みだ=2025年2月1日、大阪府吹田市佐竹台2丁目、滝坪潤一撮影

 「佐竹台小学校の校章は、何の葉をデザインしたものでしょう」

 スマホに表示された3択問題。小学校の校門前にあるQRコードをアプリから読み取り、答えを選ぶ。正解すると「スタンプGET!」。手描きの絵が表示された。

 利用したのは、社団法人セーフティネットリンケージが開発した「みまもりあいアプリ」。半径500メートルから20キロまでの間で、距離を4段階で指定して捜索依頼を発信できる。行方不明者の特徴などの情報が、アプリをダウンロードしている協力者に届く仕組み。ダウンロードや利用は無料だ。

 協力者を広げるために、スタンプラリーの機能もついている。今回の企画では、それを活用した。

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もらえるスタンプ。地元の子どもが描いたイラストをデジタル化した=2025年2月1日、大阪府吹田市佐竹台2丁目、滝坪潤一撮影

 佐竹台の連合自治会などでつくるまちづくり団体の主催。その活動拠点になっているコミュニティーカフェ「さたけん家(ち)」に縁がある学生たちが、企画を練った。

 リーダーの関西大3年、塩田涼乃(すずの)さん(21)は、さたけん家で子どもの学習を見守っている。スタッフの専門学校生、土屋唯さん(19)と大阪樟蔭女子大1年、田中麻都莉(まつり)さん(19)は、幼い頃からここで勉強してきた。

 塩田さんは今回の取り組みに「これをきっかけに誰かと誰かがつながってくれたら。小学生からお年寄りまで、佐竹台が少しでも盛り上がってほしい」と期待を込めた。

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佐竹台のスタンプラリーを企画した塩田涼乃さん(手前)と宮本瑞己さん(奥)=2025年2月1日、大阪府吹田市佐竹台2丁目、滝坪潤一撮影

 スタンプがもらえる場所選びから始め、場所にまつわるクイズの仕掛けも作った。スタンプの絵は、さたけん家に来ている子どもたちに描いてもらった。

 話し合いで決めた内容を、アプリに反映するようパソコンで設計していったのは、中学2年の宮本瑞己(みずき)さん(14)。小6の時に大阪府のプログラミングコンテストで最優秀賞をもらい、さたけん家で講師を務めたこともある。クイズは「地域の温かさを感じてもらえたら」と考えながらつくったという。

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みまもりあいアプリを使ったスタンプラリーで、スマホ片手に歩く参加者=2025年2月1日、大阪府吹田市佐竹台4丁目、滝坪潤一撮影

 1日はアプリのダウンロード説明会の後、訓練用の捜索依頼情報を見て人捜しをした。スタンプラリーには、地元の親子約20人が参加。スマホを手に、さたけん家のほか、高齢者の総合相談窓口となる地域包括支援センター、市民ホール、小学校、幼稚園、公園という計6カ所のスタンプスポットを回った。スタンプを全部集めたら駄菓子のプレゼントがあった。

 小学6年の長女と参加した母親(45)は「近所だけど、いつもと違う道を歩けて発見があった。地域包括支援センターの建物の中には入ったことがなかったので、場所を知ることができてよかった」と話していた。

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高低差もある佐竹台の町並み=2025年2月1日、大阪府吹田市佐竹台5丁目、滝坪潤一撮影

 持ち物や衣類につける緊急連絡用のステッカー(みまもりあいステッカー)もある。個人ごとのID番号とフリーダイヤルが記載されており、捜索依頼者と発見者が個人情報を明かさずにやりとりすることが可能だ。吹田市はステッカーの利用料を補助している。

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