検察のゆがんだ「全能感」、法相の指揮権発動でメスを 郷原信郎さん

郷原信郎さん=大野洋介撮影  「小学校低学年」「反社会的勢力」「検察なめんなよ」……。検事による容疑者や被告への罵倒・侮蔑発言が各地で相次いでいる。取り調べへの録音録画制度が導入され、袴田事件などで自白偏重の捜査に批判が [...] The post 検察のゆがんだ「全能感」、法相の指揮権発動でメスを 郷原信郎さん appeared first on Japan Today.

検察のゆがんだ「全能感」、法相の指揮権発動でメスを 郷原信郎さん
写真・図版
郷原信郎さん=大野洋介撮影

 「小学校低学年」「反社会的勢力」「検察なめんなよ」……。検事による容疑者や被告への罵倒・侮蔑発言が各地で相次いでいる。取り調べへの録音録画制度が導入され、袴田事件などで自白偏重の捜査に批判が高まっても、不適切な取り調べは後を絶たない。「検察の正義」を問い続けてきた元検事の郷原信郎弁護士は、これまでタブー視されてきた方法で、検察組織を民主的に統制すべきだと提言する。その方法とは……。

「司法の中核」意識 説明責任と無縁

 取り調べ時の暴言など、このところ批判されている検察の不祥事は、検察官個々人の資質の問題というより、検察組織全体の病理に起因するものです。それは一口で言えば「ゆがんだ全能感」です。

 検察は戦後日本の刑事司法の中核でした。検察官が公訴権をほぼ独占し訴追裁量権を持つ制度の下、刑事事件に関する判断は実質的に検察に委ねられていました。起訴された事件の有罪率99%という数字は、裁判所が限定的にしかチェック機能を果たさず、検察の判断が事実上の司法判断になってきたことを表します。

 検察の権限行使は独立性が重…

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