日本郵便、違約金を1カ月で2度も変更 内部文書に「申し訳ない」

日本郵便の通知文書には「緊急指示 社内対応」とある=2025年1月24日午後2時34分、朝日新聞東京本社、上田幸一撮影  宅配便「ゆうパック」の顧客の苦情などに際して委託業者から徴収する違約金を巡り、日本郵便が昨年12月 [...] The post 日本郵便、違約金を1カ月で2度も変更 内部文書に「申し訳ない」 appeared first on Japan Today.

日本郵便、違約金を1カ月で2度も変更 内部文書に「申し訳ない」
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日本郵便の通知文書には「緊急指示 社内対応」とある=2025年1月24日午後2時34分、朝日新聞東京本社、上田幸一撮影
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 宅配便「ゆうパック」の顧客の苦情などに際して委託業者から徴収する違約金を巡り、日本郵便が昨年12月に続いて今月、再び制度を変更して減額することを決め、20日に各郵便局に通知したことがわかった。徴収するのは違反3度目からとし、基準額も1万円から5千円に減らした。

  • 「また尻ぬぐいか」 違約金を1か月間で2度も変更、郵便局から憤り

 同社は違約金に関し、公正取引委員会から下請法違反で改善指導を受けていたことが今月、朝日新聞の報道で発覚。前後の約1カ月間で20年以上続く制度を2度変更した。現場の郵便局からは「理由を説明できない」と制度自体への疑問の声が出ている。

 関係者によると、公取委は2023~24年、関東地方にある郵便局と委託業者の契約を調査。違約金が不当に高額で、十分な説明なく徴収したとして下請法違反を認定し、24年6月に日本郵便を行政指導した。この郵便局のある県内では、誤配達で3万円、たばこの臭いの苦情で10万円徴収する例があったという。

 日本郵便は指導半年後の24年12月19日付で「違約金基準額等の見直し」とする内容を全国の郵便局に通知。新基準として「誤配達5000円」「タバコ臭クレーム10000円」と記し、適用は「原則25年4月」と指定。協力会社への周知を進めるよう指示した。通知は、朝日新聞が違約金問題を把握し、質問状を同社に送った翌日だった。

 朝日新聞は通知文の内容を今月14日に報道。日本郵便はその6日後となる20日、再度の見直しを通知した。朝日新聞が入手した通知文書では、紛失や誤配達、たばこの臭いの苦情が同じ年度に計3回以上発生した場合に「違約金徴収の対象とする」と記載。「基準額は5000円」と記し、「累計2回までは違約金を求めない」とした。昨年12月の通知で新設していた「故意」と「過失」の分類はなくなった。新基準の適用時期は変わらず今年4月という。

 文書は冒頭で、「短期間での指示内容の変更となり、誠に申し訳ありません」と記載。1カ月で再び見直す理由は「改めて社内で運用方法の検討を行った結果」と記している。公取委から行政指導を受けたことを初めて各郵便局に伝えた。

 昨年12月の通知に従ってすでに委託業者への説明をしていた郵便局は、再度の説明を迫られている。近畿地方の郵便局職員は「本社は方向性を見失い、混乱しているのではないか。違約金制度の必要性自体を検討したほうがいい。時代にそぐわないと思う」と話す。ある委託業者は取材に「これまでの高額の違約金は何だったのか。返金して欲しい」と話した。

日本郵便「改めて検討した」

 日本郵便の話 違約金制度の趣旨が集配品質の維持・向上であることを踏まえ、改めて実効性の高い方法などを検討し、運用方法を見直した。行政指導は非公表だが、報道を受け、公取委からの指導について社内で共有することにした。

2003年12月

日本郵便が違約金制度を全国で導入

24年6月

公取委が日本郵便の下請法違反を認定、行政指導

8月

日本郵便が全国の郵便局に違約金について調査

12月18日

朝日新聞が日本郵便に違約金の質問状を送付

12月19日

日本郵便が全国の郵便局に違約金の見直しを通知

12月26日

日本郵便が違約金見直しなどを朝日新聞に回答

2025年1月6日

朝日新聞が違約金問題を報道

1月14日

日本郵便が12月に通知したことを朝日新聞が報道

1月20日

日本郵便が再度の違約金見直しを全国に通知

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