「憲法の黙秘権を取り戻したい」 国賠訴訟を起こした元弁護士の訴え
元弁護士の江口大和さん 取り調べを録音・録画した映像が法廷で再生され、検察官による被疑者に対する人格攻撃のような発言が相次いで問題化している。弁護士だった江口大和さんは、犯人隠避教唆事件の被疑者として黙秘権を行使したと [...] The post 「憲法の黙秘権を取り戻したい」 国賠訴訟を起こした元弁護士の訴え appeared first on Japan Today.
取り調べを録音・録画した映像が法廷で再生され、検察官による被疑者に対する人格攻撃のような発言が相次いで問題化している。弁護士だった江口大和さんは、犯人隠避教唆事件の被疑者として黙秘権を行使したところ、検察官から長時間、「ガキだよね」などと侮辱的な取り調べを受けた。「憲法で保障された基本的人権としての黙秘権を取り戻したい」と国家賠償訴訟を提起している江口さん。自身の体験から問題の根っこに何があると考えているのか、話を聞いた。
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――どんな経緯で逮捕され、取り調べを受けることになったのですか。
「2016年5月に横浜市で無免許運転での死亡事故が起こり、弁護士として相談を受けました。会社社長の所有する車を無免許の従業員が運転し、同乗していた別の従業員2人のうち1人が死亡したという事故でした。当初は運転していた従業員が罪に問われたのですが、事故から約2年半が過ぎた18年10月、今度は私が、車の所有者である社長へ捜査が及ばないように従業員に虚偽の供述をさせたとして、犯人隠避教唆の容疑で横浜地検特別刑事部に逮捕されました」
無罪主張したが、刑事裁判で執行猶予付き有罪に
「当初の捜査では、社長が無免許の従業員に車を使わせたのか、それとも従業員が勝手に社長の車を持ち出したのかということが焦点の一つになりました。検察側は、私が社長をかばうために、社長と共謀して、車を運転していた従業員に『勝手に車を持ち出した』と虚偽の供述をするよう指示をした、と主張しました。起訴後の裁判で、私は『指示も共謀もしていない』と無罪を主張しました。しかし裁判所は、同乗していた従業員の法廷での証言などから、指示の共謀があったと認定し、懲役2年執行猶予5年の判決が確定しました」
――保釈されたのが、逮捕から250日目の19年6月でした。身柄拘束が長引いたのはなぜだったのでしょう。
「何度も保釈を申請しましたが、いずれも検察官が、『関係者や証人予定者に働きかけるなど、罪証隠滅のおそれがある』と強く主張し、裁判所も重視しました。2度目の申請では、裁判所はいったん保釈を認めたのですが、検察官が不服申し立てをし、取り消されてしまいました。否認すると身柄拘束が長くなるという『人質司法』を、身をもって体験しました」
――逮捕されてから黙秘を続けたのはなぜでしょう。
「検察の独自捜査事件だった…
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