兵士が多数死傷の北朝鮮 ロシアから十分な「見返り」を得られるのか
北朝鮮インサイト⑲ ウクライナ軍に捕らえられた北朝鮮兵とみられる人物。ウクライナのゼレンスキー大統領が2025年1月11日にSNSに投稿した(画像の一部を加工しています) 北朝鮮兵のロシア派遣をめぐっては、さまざまな発 [...] The post 兵士が多数死傷の北朝鮮 ロシアから十分な「見返り」を得られるのか appeared first on Japan Today.
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北朝鮮インサイト⑲
北朝鮮兵のロシア派遣をめぐっては、さまざまな発表や臆測が出ていますが、その全体像は明らかになっていません。例えば戦闘に伴う北朝鮮兵士の死傷者数。米国は1千人以上、韓国は3千人(死亡約300人、負傷約2700人)とみており、ウクライナのゼレンスキー大統領は4千人だと言及しました。これから事態がどう推移するかも、よく見通せません。公安調査庁で長年にわたり、北朝鮮を分析してきた坂井隆さんに、これまでにはっきりしたことや、今後、北朝鮮の脅威が高まるかなどを聞きました。
【連載】北朝鮮インサイト
核・ミサイル開発に邁進し、日本にとってやっかいな隣国・北朝鮮。この国は実際どうなっているのか。40年以上にわたり、北朝鮮を分析してきた元公安調査庁職員による、プロフェッショナルの見方をお届けします。
〈箱田〉北朝鮮がロシアに兵士を派遣した事実は間違いないようですが、何が起きているのか、実態がわかりません。坂井さんが現時点で、少なくともこれは確実だろうと考えるのは、どういった点ですか。
〈坂井〉間違いなく確認できたのは、北朝鮮兵の士気の高さではないでしょうか。地雷原を突進するなど、文字通り死をも恐れない勇猛果敢な戦いぶりが伝えられています。彼らはどうやら「戦闘参加」という派遣目的もしっかり知らされていないようです。にもかかわらず、多くの死傷者を出しながらも、投降、脱走、抗命などの事案が確認されていないことも、軍紀の確立を物語っていると言えそうです。
北朝鮮ウォッチャー 坂井隆さん
さかい・たかし 1951年生まれ。78年に公安調査庁に入庁し、ひたすら北朝鮮をウォッチし続けてきた。2012年に退官後も独自に分析を進め、その手腕は専門家らの間でも高い評価を得ている。共著に「独裁国家・北朝鮮の実像」(17年、朝日新聞出版)など。
〈箱田〉北朝鮮の軍は精鋭ぞろいというわけですか。
〈坂井〉派遣された将兵は、偵察総局の傘下にある、いわゆる特殊部隊の所属ともされるだけに、北朝鮮軍全体の代表とは言えません。ただ、少なくとも派遣兵たちに関しては、これまでの軍事パレードや演習で誇示してきた士気の高さが見せかけではない、本物だということを示しました。
「スーパーマン」ではなかった特殊部隊
〈箱田〉ロシア軍にかなり貢献しているということでしょうか。
〈坂井〉リクルートに悩む兵…
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