骨粗鬆症予備軍の40代女性 コロナ下で外出自粛、「骨は80代」に
骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の対策には、運動して骨を丈夫にすることが重要だ 治療中の患者の9割以上が女性である骨粗鬆症(こつそしょうしょう)は、年々患者数が増え続け、国内に推計1590万人とする研究もある。新型コロナ [...] The post 骨粗鬆症予備軍の40代女性 コロナ下で外出自粛、「骨は80代」に appeared first on Japan Today.

治療中の患者の9割以上が女性である骨粗鬆症(こつそしょうしょう)は、年々患者数が増え続け、国内に推計1590万人とする研究もある。新型コロナウイルスが流行し、外出自粛による運動不足が症状を悪化させたと指摘する医師もいる。どんな対策が必要か。
2018年、閉経したばかりだった都内の当時40代後半の女性は、関節リウマチの治療先のクリニックで検査を受け、骨減少症だとわかった。
コロナで1年半運動できず
骨減少症は、骨密度(骨量)が若年成人の平均値の70~80%にまで低下した状態。70%未満が骨粗鬆症と診断されるため、「骨粗鬆症予備軍」ともいわれる。
女性は、カルシウムの吸収に必要なビタミンDを処方してもらい、骨の強度を高めるため、毎日2時間の散歩を始めた。
しかし、20年に新型コロナが流行し始めた。リウマチ治療で免疫をやや抑える薬を服用中だったため、人との接触が怖く、散歩をやめて、ほとんど外出しない生活が1年半つづいた。
22年、久々に骨密度を調べると、骨粗鬆症の領域まで低下し、医師からは80代の平均相当だと言われた。
まだ小さな子を育てている最中で、ショックだった。
医師の指導で、骨を壊す働きを抑える薬を飲み始めた。買い物は隣駅まで2時間かけてゆっくりと歩き、カルシウムをとるため、ヨーグルトや豆腐を多く食べた。
いま女性の骨密度は少しずつ上がっているが、まだ骨粗鬆症の領域にとどまる。
主治医で日本骨粗鬆症学会認定医の中山久徳医師(そしがや大蔵クリニック)は、こう指摘する。
「薬を使い始めても、しばらく骨密度の改善はみられませんでしたが、運動を再開して少し経ったころ、骨密度が上昇に転じました」
「コロナの影響で運動不足になって骨密度が低下し、また、運動を再開したことで回復してきたとみています」
骨粗鬆症は、骨量が減る、または骨の質が低下することで骨がもろくなり、骨折しやすくなる病気だ。
転倒はもとより、腰を曲げて荷物を持ち上げる、転びそうになって手をつく、といった日常の動作でも骨折が起きやすくなる。特に大腿(だいたい)骨を骨折すると、入院や安静を強いられ、寝たきりにつながりやすい。
治療患者の9割が女性
厚生労働省の調査によると、23年に骨粗鬆症で治療を受けた患者は138万7000人だった。ただ、骨粗鬆症の初期は症状がほとんどないため、自覚のない患者が多数いるとみられる。
患者全体のうち、女性が9割以上の130万9000人だった。なぜ女性に多いのか。
日本骨粗鬆症学会の診療ガイドラインによると、骨粗鬆症は、加齢、遺伝のほか、飲酒や喫煙といった生活習慣の影響を受ける複合的な疾患だ。
さらに女性の場合、50歳前後で閉経すると、女性ホルモン「エストロゲン」が急激に減る。エストロゲンは骨が壊れるのを防ぐ作用があるため、閉経後に骨密度は低下しやすくなる。
また、女性は20歳までに最…
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