第4回無保険・最低賃金以下 「我慢すれば」で生き抜いた57歳
警備員として働きながら、生活保護を利用する男性=大阪府内、永田豊隆撮影 肉親と離れて何十年 男性は57歳だと言った。だが、それより20歳以上は年上に見えた。 私は昨年末、大阪府内でその男性の暮らしぶりについて話を聞い [...] The post 第4回無保険・最低賃金以下 「我慢すれば」で生き抜いた57歳 appeared first on Japan Today.

肉親と離れて何十年
男性は57歳だと言った。だが、それより20歳以上は年上に見えた。
私は昨年末、大阪府内でその男性の暮らしぶりについて話を聞いていた。
気付いたのは、男性の歯がほとんどないことだ。それが老けて見えてしまう原因のようだ。
男性によると、物心ついたとき、児童養護施設にいた。「なぜ自分が施設に預けられたのか、聞いたことがない」。母親やきょうだいには何十年も会っていないという。
中学を卒業すると、施設を出て左官の仕事についた。「それが当たり前だと思っていた」
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収入は生活保護基準以下
18歳からは中国地方や関西の建設工事や産業廃棄物の作業現場を転々とした。給料は日払い。プレハブの宿舎に帰ると、テレビを見て寝るだけ。
いつも仕事があるわけではなかった。月収が5万を割り込む時期も多く、生活保護基準額(現在、大阪市の50代単身者の生活扶助・住宅扶助で計約11万7千円)を下回っていたとみられる。
病気になっても、社会保険にも国民健康保険(国保)にも加入していないため健康保険証がない。熱が出ても病院に行かなかった。
「仕事に穴を開けられないし、保険証がない。我慢すれば何とかなる」
39歳で大阪の食品関連会社…
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