字幕のない中国映画が開く「窓」 東京・中国映画週間が中止でも

連載コラム「アジアひとかじり」 文化部・守真弓
このコラムは……
刺激を与え合って、混ざり合い、うまみを増しているアジアの文化。お隣の中国と韓国を始め、東南アジアに南アジア。かつてなく近づいているアジア文化を愛する記者が、その最前線を一口、お届けします。
週末、映画でも見ようかと予約サイトを見ていると、【日本語字幕なし】というただし書きが目に入った。
「歓迎来龍餐館(龍飯店へようこそ)」という中国映画で、借金を返済するために中東へ渡った中華料理人の物語らしい。全103席の上映館は、すでにほぼ満席になっている。理解できるだろうかと思いつつ、唯一空いていた最前列の端っこの席を購入した。
映画館の扉を開けると、そこかしこから中国語のささやきが聞こえた。映画が始まると、主人公の冗談には大きな笑い声が上がり、終盤にはすすり泣く声も。イラクを思わせる戦場を舞台に、主人公が料理で人々を救っていく、という物語の引力もさることながら、異国で映画を見るような楽しさにときめいた。
いったい誰がどうして、日本語字幕のない映画を上映しているのか。気になって配給会社をたどると、「面白映画」という会社だという。
「原版上映? 実はもう2年前からやっていますよ」
東京・高田馬場のオフィスビルにある面白映画の事務所を訪ねると、山積みの段ボール箱に囲まれた常務の安陽さんが、ニコニコと言う。
中国の大学で日本語を学んだ安さんは卒業後、日系のコンサルティング会社を経て、アニメ関係の中国企業から派遣されて来日。7年前、「面白映画」の立ち上げに関わり、アニメ映画「羅小黒戦記」や「ナタ 魔童の大暴れ」などの日本語字幕や吹き替えを配給してきた。だが、「今の日本は、中国映画を見る人のパイ(総数)がそもそも少なくて……」。段ボールの中にあるゲームのキャラクターグッズの販売で会社を支えているという。
思い返せば、2000年代ま…
The post 字幕のない中国映画が開く「窓」 東京・中国映画週間が中止でも appeared first on Japan Today.



